<山本敦のAV進化論 第45回>Android TV広報担当者にメールインタビュー
Google担当者に聞く「Android TVの強み」− テレビの楽しみ方はどう変わる?
Android TVのエンターテイメントの中では、「ゲーム」の位置づけにも重きが置かれている。Nexus PlayerではASUSが開発した専用のワイヤレスゲームパッドがオプションとして提供されるが、テレビのゲーミングコンソールとしての価値を強調するための重要なインターフェースであり、グーグルもその価値にフォーカスをあてている。
ゲームに関してはコンソール機器やソフトの出来映えももちろん重要だが、総体として現代人のライフスタイルにフィットしたサービスプラットフォームが提供できるかにかかっていると思う。日本の都市生活者とゲームの関係にスポットをあてて考えれば、通勤や通学の時間、カフェで過ごす休み時間の合間を縫ってサクッと楽しめるスマホゲームに人気が集まる理由は、ひとえにそれが彼らのライフスタイルに合っているからである。
結果として、一日の大半の時間をゲームに当て込むというユーザーが出てくることも有り得るだろうが、はじめに据え置き型のリッチなゲームコンソールや、長時間プレイしないとクリアできないほどの大作ゲームに開発のリソースを注ぎ込んでしまうと事を見誤る。「外出先で楽しんでいたスマホゲームの続きが自宅でも楽しめる」という、肩の力を抜いた提案は何気ないように感じられるが、実は現代人とゲームコンテンツの関係を正確に捉えたヒットの王道を行くものなのかもしれない。Nexus PlayerなどAndroid TV搭載の外付け機器が躍進する可能性は十分にあるだろう。
ゲームコンテンツの操作性を高めることの重要性について、グーグルの考え方を担当者はこう説明する。「Android TV向けのアプリは、Androidスマートフォンやタブレット向けのアプリとは異なる表示および操作性を持ちます。最も大きいのはタッチスクリーンと十字キーによる操作性の違いですが、タッチスクリーン向けの開発に慣れている開発者でもAndroid TVでアプリを正常に動作させ、引き続き良好なユーザー体験を提供できるよう、レビューを通じてアプリの動作確認が可能になっています。また、グーグルではユーザーにとって使いやすく、没入感のあるAndroid TV向けアプリの開発を手助けするために、開発者向けの“デザインガイドライン”を提供しています」
開発者向けSDKはWebサイト「android.com/tv」で提供されている。グーグルの説明によればAndroid向けの開発をすでに手がけている開発者であれば、Android TV対応アプリの開発は困難ではないそうだ。加えて同社では動画などを通じてサンプルコードやテンプレートなど、機能面の解説も提供している。
■「Android TV」の今後の成長は期待できるのか?
まだ国内でAndroid TVを組み込んだテレビ製品の発売がどのメーカーからも明らかにされていないので、少し気の早い質問だったかもしれないが、グーグルとして今後のプラットフォームの発展にどんなビジョンを掲げているのか訊ねてみた。具体的な内容については現時点ではコメントできないとしながらも、「グーグルでは今後も多くのOEMメーカーと一緒にAndroid TV搭載機器の開発を進めていく」という回答が返ってきた。