角田郁雄のオーディオSUPREME
【第6回】CHORD「Hugo TT」を角田郁雄が聴く - 据え置きになった“Hugo”の実力とは?
ついに正式発表されたCHORDのバッテリー内蔵D/Aコンバーター「Hugo TT」を角田郁雄氏がレビュー。高い評価を得たポータブルDAC/ヘッドホンアンプ「Hugo」の技術を踏襲しつつさらなる進化を果たした本機の魅力に迫った。
■CHORDのCEO、ジョン・フランクスのこと
毎年、海外ブランドのCEOやマネージャーの数人と必ず会う。特に春や、秋の東京インターナショナルオーディオショウの前後は多くなる。どんな話が聞けるのか、私はいつも興味が尽きない。ちょっと洒落たレストランで技術の話を聞いたり、意見交換することは勉強になるし、何より楽しい。
なかでも英CHORDのCEOであるジョン・フランクス氏とは、年に2回は会う。フランクス氏はわざわざ家にも来てくれた。彼はいかにも英国紳士というイメージで、もの静かに、ていねいに製品や技術の話をしてくれる。私が意見や感想を言うと、彼はその場でiPhoneにメモして、メールで本国の担当者に送る。とても熱心だ。一方で私は、彼が持ってくる“もの”を楽しみにしている。ある時にはポケットからメタル・カン・タイプのMOS-FETを取り出して「これがうちのパワーアアンプで使うカスタム仕様のパワーMOS-FETだよ」といって、パワーアンプの話に花が咲いた。
2013年の暮れには、大きな黒い革バックから、Hugoのプロトタイプを取り出して、披露してくれた。私はHugoに感激した。彼は、若い世代の方にも良い音に触れて欲しいと、ハイレゾ時代になってから高額なDACばかりではなく、若い方でもがんばれば手にできる「Cute」のようなモデルを開発した。こうしたCHORDのブランドの姿勢が好きだ。
■世界で大好評を得たポータブルDAC「Hugo」
そのHugoは日本のみならず、世界のヘッドホンファイルに大好評で、熟練オーディオ愛好家やオーディオ評論家をも唸らせた。まずアルミ合金切削のボディーが美しい。そして内部には同社最上位のD/Aコンバーター「QBD76HDSD」の技術を踏襲した、同社のお家芸のFPGAによる「WTAフィルター」と「パルスアレーDAC」が内蔵されている。しかも、ノイズフリーのバッテリー駆動だから、誰もが興味津々だ。その音質は、音が高密度で空間が広い。広い空間に歌い手や奏者がポッカリと浮かび上がり、自然な音の階調をみるような、きれいな倍音が空間に広がる。バッテリー駆動なので、音が瑞々しく、弱音が美しく再現される。CDトランスポートと接続して、CDを再生すると、DSDのようなハイレゾ的な音質に、私は感激した。
■据え置き型の新D/Aコンバーター「Hugo TT」が登場
そのHugoは今回さらに進化して、据え置き型のHugo TT(TT:Table Top)として登場した。Hugo TTはオーディオファイルに向けられたモデルだ。私は幸運にもそのプロトタイプを聴くことができた。
そのデザインで印象的なのは、トップボードの左に「半月」のようなブラックアクリルがあしらわれていることだ。これはBluetooth用のアンテナで、いかにも「アンテナだよ」と飛び出したアンテナをつけないところがオシャレだ。中央には円形のレンズがあり、内部のLEDでHugoと同様にデジタル入力のサンプルレートやバッテリーの残量が表示できる仕組みだ。音量調整はローラー型のボリュームで行える。
Hugo TTは嬉しいことに、リモコン操作も可能だ。フロントとトップボードの境目には、「目」のような形状の表示部があるが、ここには選択したデジタル入力が表示される仕組みだ。デジタル入力の選択などの操作はリモコンに加えて、フロントのスイッチを押すことでも可能だ。
■CHORDのCEO、ジョン・フランクスのこと
毎年、海外ブランドのCEOやマネージャーの数人と必ず会う。特に春や、秋の東京インターナショナルオーディオショウの前後は多くなる。どんな話が聞けるのか、私はいつも興味が尽きない。ちょっと洒落たレストランで技術の話を聞いたり、意見交換することは勉強になるし、何より楽しい。
なかでも英CHORDのCEOであるジョン・フランクス氏とは、年に2回は会う。フランクス氏はわざわざ家にも来てくれた。彼はいかにも英国紳士というイメージで、もの静かに、ていねいに製品や技術の話をしてくれる。私が意見や感想を言うと、彼はその場でiPhoneにメモして、メールで本国の担当者に送る。とても熱心だ。一方で私は、彼が持ってくる“もの”を楽しみにしている。ある時にはポケットからメタル・カン・タイプのMOS-FETを取り出して「これがうちのパワーアアンプで使うカスタム仕様のパワーMOS-FETだよ」といって、パワーアンプの話に花が咲いた。
2013年の暮れには、大きな黒い革バックから、Hugoのプロトタイプを取り出して、披露してくれた。私はHugoに感激した。彼は、若い世代の方にも良い音に触れて欲しいと、ハイレゾ時代になってから高額なDACばかりではなく、若い方でもがんばれば手にできる「Cute」のようなモデルを開発した。こうしたCHORDのブランドの姿勢が好きだ。
■世界で大好評を得たポータブルDAC「Hugo」
そのHugoは日本のみならず、世界のヘッドホンファイルに大好評で、熟練オーディオ愛好家やオーディオ評論家をも唸らせた。まずアルミ合金切削のボディーが美しい。そして内部には同社最上位のD/Aコンバーター「QBD76HDSD」の技術を踏襲した、同社のお家芸のFPGAによる「WTAフィルター」と「パルスアレーDAC」が内蔵されている。しかも、ノイズフリーのバッテリー駆動だから、誰もが興味津々だ。その音質は、音が高密度で空間が広い。広い空間に歌い手や奏者がポッカリと浮かび上がり、自然な音の階調をみるような、きれいな倍音が空間に広がる。バッテリー駆動なので、音が瑞々しく、弱音が美しく再現される。CDトランスポートと接続して、CDを再生すると、DSDのようなハイレゾ的な音質に、私は感激した。
■据え置き型の新D/Aコンバーター「Hugo TT」が登場
そのHugoは今回さらに進化して、据え置き型のHugo TT(TT:Table Top)として登場した。Hugo TTはオーディオファイルに向けられたモデルだ。私は幸運にもそのプロトタイプを聴くことができた。
そのデザインで印象的なのは、トップボードの左に「半月」のようなブラックアクリルがあしらわれていることだ。これはBluetooth用のアンテナで、いかにも「アンテナだよ」と飛び出したアンテナをつけないところがオシャレだ。中央には円形のレンズがあり、内部のLEDでHugoと同様にデジタル入力のサンプルレートやバッテリーの残量が表示できる仕組みだ。音量調整はローラー型のボリュームで行える。
Hugo TTは嬉しいことに、リモコン操作も可能だ。フロントとトップボードの境目には、「目」のような形状の表示部があるが、ここには選択したデジタル入力が表示される仕組みだ。デジタル入力の選択などの操作はリモコンに加えて、フロントのスイッチを押すことでも可能だ。