角田郁雄のオーディオSUPREME
【第6回】CHORD「Hugo TT」を角田郁雄が聴く - 据え置きになった“Hugo”の実力とは?
Hugo TTは、音のきめの細かさも格別だ。ずっと、音楽を聴いていたい気分にさせる浸透力のある音質だ(正直なところ、私の愛用するQBD76HDSDも顔負けだ)。
ヒラリー・ハーンの最新アルバム、モーツァルトヴァイオリン協奏曲(96kHz/24bit)では、目の前で、演奏されているかのような、音の鮮度の高い、切れ味の良い弦楽パートの響きが聴け、その中央にヒラリー・ハーンが木質感たっぷりの胴の美しい響きが味わえる。解像度が高いので、その微細な音が空間に舞う。高い音階では、音が細身にならず、艶やか。「WTAフィルター」と「パルスアレーDAC」は音が高密度なので、DSDに近い音質になるところが魅力だ。
こうした音質は、CD再生でも聴くことができる。読者がもし、CDとハイレゾの両方を楽しむなら、CDプレーヤーのデジタル出力を接続して欲しい。今まで体験しなかった空間性に溢れた、高密度な音が楽しめるだろうし、バッテリー駆動ならではの、瑞々しい音も体験できることだろう。
■お薦めしたい“DELA”との組み合わせによるネットワーク再生
次にバッファローのオーディオ専用NAS「“DELA” N1Z」とUSB接続して、ネットワーク再生にチャレンジした。iPhoneの再生アプリは「Kinsky」だ。これはMac再生を超える素晴らしいサウンドで、もうMacには戻れないほど。倍音の再現性が高く、さらにピュアな音質と高いS/Nが印象的だ。
私のリファレンス音源である5.6MHzDSDの『Quiet Winter Night』を再生すると、録音場所の教会がワイドで、残響がこの上なく美しい。バスドラムは柔らかな革の質感が見えるほど、響きが鮮明で力強い。しかし、アタック感を強調せずに、倍音を重視していることに好感をもつ。ゆえに空間を横切るトランペットの響き、倍音はリアル。ピアノの倍音が空間に、みごとに点在する。空間性も素晴らしく、楽器奏者と歌姫があたかも部屋に来たかのような感覚となる。特に歌姫の声は、録音ではなく、目の前で歌っているかのように生々しいし、弱音がきれいだ。Hugo TTは、このように、演奏のディテールや空気感を格段に引き立ててくれるところが、大きなアドバンテージだ。
DECCAの往年のアルバム、『ブリテン:戦争レクイエム』(96kHz/24bit)の「その日こそ、怒りの日」を聴いて感動した。合唱が、オケの背後に広く展開し、合唱の各パートが左右に展開し、その歌唱の対比が美しく描写される。ティンパニーの連打は、力強く、その猛烈でレスポンスが早い。古い音源ではあるが、一気に録音した場所、時代にワープした思いとなる。
次にHugo TTをDAC兼プリアンプとして、パワーアンプに直接接続する。余分なアナログ回路が省略されるので、さらに高S/Nで、ダイナミックレンジが拡張された印象を受ける。もしシンプルなハイレゾシステムを考えているなら、好みのアクティブスピーカーとコンビを組むと良い。きっと空間性に溢れた音、弱音の再現性の高いダイナミックな音が楽しめることであろう。
私は、オーディオマインドを掻き立てるCHORDの技術と、音楽性に溢れた音に魅了され、早々にHugo TTを注文した。読者の皆様もぜひ、美しい音、美しい音楽を奏でるHugo TTに、触れてみて欲しい。
ヒラリー・ハーンの最新アルバム、モーツァルトヴァイオリン協奏曲(96kHz/24bit)では、目の前で、演奏されているかのような、音の鮮度の高い、切れ味の良い弦楽パートの響きが聴け、その中央にヒラリー・ハーンが木質感たっぷりの胴の美しい響きが味わえる。解像度が高いので、その微細な音が空間に舞う。高い音階では、音が細身にならず、艶やか。「WTAフィルター」と「パルスアレーDAC」は音が高密度なので、DSDに近い音質になるところが魅力だ。
こうした音質は、CD再生でも聴くことができる。読者がもし、CDとハイレゾの両方を楽しむなら、CDプレーヤーのデジタル出力を接続して欲しい。今まで体験しなかった空間性に溢れた、高密度な音が楽しめるだろうし、バッテリー駆動ならではの、瑞々しい音も体験できることだろう。
■お薦めしたい“DELA”との組み合わせによるネットワーク再生
次にバッファローのオーディオ専用NAS「“DELA” N1Z」とUSB接続して、ネットワーク再生にチャレンジした。iPhoneの再生アプリは「Kinsky」だ。これはMac再生を超える素晴らしいサウンドで、もうMacには戻れないほど。倍音の再現性が高く、さらにピュアな音質と高いS/Nが印象的だ。
私のリファレンス音源である5.6MHzDSDの『Quiet Winter Night』を再生すると、録音場所の教会がワイドで、残響がこの上なく美しい。バスドラムは柔らかな革の質感が見えるほど、響きが鮮明で力強い。しかし、アタック感を強調せずに、倍音を重視していることに好感をもつ。ゆえに空間を横切るトランペットの響き、倍音はリアル。ピアノの倍音が空間に、みごとに点在する。空間性も素晴らしく、楽器奏者と歌姫があたかも部屋に来たかのような感覚となる。特に歌姫の声は、録音ではなく、目の前で歌っているかのように生々しいし、弱音がきれいだ。Hugo TTは、このように、演奏のディテールや空気感を格段に引き立ててくれるところが、大きなアドバンテージだ。
DECCAの往年のアルバム、『ブリテン:戦争レクイエム』(96kHz/24bit)の「その日こそ、怒りの日」を聴いて感動した。合唱が、オケの背後に広く展開し、合唱の各パートが左右に展開し、その歌唱の対比が美しく描写される。ティンパニーの連打は、力強く、その猛烈でレスポンスが早い。古い音源ではあるが、一気に録音した場所、時代にワープした思いとなる。
次にHugo TTをDAC兼プリアンプとして、パワーアンプに直接接続する。余分なアナログ回路が省略されるので、さらに高S/Nで、ダイナミックレンジが拡張された印象を受ける。もしシンプルなハイレゾシステムを考えているなら、好みのアクティブスピーカーとコンビを組むと良い。きっと空間性に溢れた音、弱音の再現性の高いダイナミックな音が楽しめることであろう。
私は、オーディオマインドを掻き立てるCHORDの技術と、音楽性に溢れた音に魅了され、早々にHugo TTを注文した。読者の皆様もぜひ、美しい音、美しい音楽を奏でるHugo TTに、触れてみて欲しい。