一条真人の体当たり実験室
誰もやらないなら俺たちが! ソニー「音の良いmicroSDカード」いまさらブラインドテスト
小野は、この「音の良いmicroSDカード」の説明会にも出席し、原理や効果、そして音の傾向もある程度つかんでいる。そんな小野がテストに参加するのは、ある意味でチートともいえるかもしれない。だが、逆にこれで当てられなかったらヤバイので、まさに背水の陣である。
そんな周囲の心配をよそに、試聴を開始するや否や、30秒程度で「はい、OKです」と、次々にカードを交換し、快調に飛ばす小野。「いや、これけっこう分かりやすいですよ。たぶん大丈夫じゃないですかね」。言葉に自信がみなぎる。これは期待が持てそうだ。
サクサクと試聴を終わらせると、いよいよ答え合わせだ。緊張の瞬間である。ハイレゾブラインドテストと違って、判別できなくても記事化できないというほどのことはないが、AV専門サイトの編集部員の耳があまりよくないという結果は、今後のことを考えるといかにもまずい。
編集部員が固唾をのんで見つめる中、こちらの思いを知ってか知らずか、淡々と答えを告げる小野。答え合わせをしてみると、見事に全問正解! みながほっと胸をなで下ろす。
小野曰く「音の広がりが全然違うんで、そこを比べれば一発です」とのこと。「なるほど。最初からそれを聞いていれば、あるいは…」と無念さに唇を咬む一条氏。
試聴を終えて、2人の通算成績を足し上げると、7セット中4問正解、ということになった。50%よりは良い成績だが、ぶっちゃけ誤差の範囲だ。とはいえ、小野はかなりの自信を見せて全問正解したので、「わかる人にはわかるし、わからない人にはわからない」という、至極当たり前の結論になった。…なんだかいつもこんな展開ですいません。
今回のテストを振り返った一条氏は「いやあ、オーディオって奥が深いなあ〜。今回はそれを痛感しましたよ。ハハハハハハ!!!」と妙な笑い声をとどろかせ、それほど落ち込んではいない様子だった。
だがもちろん、それは強がりに違いない。乾いた笑いの後、来たときのハイテンションぶりとは真逆のしょんぼり具合で去っていったのを我々は見逃さなかった。次回、一条氏に汚名返上のチャンスは訪れるのだろうか?