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<山本敦のAV進化論 第54回>スマートウォッチの進むべき方向は?

じっくり使って分かった「Apple Watch」の利点&不満点。音楽再生の音質や使い勝手もレポート

公開日 2015/05/13 10:00 山本 敦
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スマートウォッチは今後スマホから独立する方向に向かうべき

2週間ほどApple Watchを使ってみて、アップルが満を持して発売したスマートウォッチとしては十分に完成度の高いウェアラブルデバイスだと思う。本体のデザイン、装着性、ソフトウェアやUIの完成度、心拍センサーも搭載する機能の充実ぶりなど、いずれを取っても先発のAndroid Wearの背中を捉えて追い越すほどの勢いがある。

Apple Watchの発売に時期を合わせて、Android Wearのアップデートが実施されたが、ハイライトの一つにWi-Fiが挙げられる。スマートウォッチをWi-Fiにつないで、インターネット越しにペアリングしたスマートフォンと接続できるようになるものだ。スマートフォンが手元に無くても、遠隔値からスマートフォンに届いた通知をスマートウォッチで確認できるようになったり、確かにメリットは得られるが、ウォッチにWi-Fi機能が内蔵されている必要があるうえ、インターネットにつながなければならないので、外出先で公衆Wi-Fiを探すか、ポケットルーターなどが必要になる。便利になるとはいえ、快適に使うためにはいくつかの条件が残されるだろう。

そこで感じるのは、やはりスマートウォッチ自体にLTEや3Gの通信機能がビルトインされていることがベストだということ。その点ではLGが発表した「LG Watch Urbane LTE」は非常に魅力的だし、3Gならサムスンの「Gear S」が国内でも発売済みだ。Apple Watchが今後、単体での通信機能を内蔵してくれば、iCloudと連携して色々なことができるようになるだろう。iPhoneを持たずにApple Watchだけでジョギングはしたいけれど、現状マップでの走行ルート確認にはiPhoneが必要になってしまう。今回走りながら使ってみて、ここは非常に不便に感じたポイントだった。ユーザーの利便性向上を第一に考えるならば、スマートウォッチの正統な進化の方向は単体での通信機能対応に尽きると思う。

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