[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第125回】今年もやります!「春のヘッドフォン祭2015」高橋敦の“超”個人的ベスト5発表!
■もちろん今年もやります! 高橋敦の“超”個人的目線で振り返る「春のヘッドフォン祭2015」
今回も行ってきました春のヘッドフォン祭2015! 初日土曜日は東京大学のとある研究会の主催による学術的な講演会と重なってしまい参加できなかったのだが、日曜日参戦にも各メディアの報道を眺めて狙い所を事前に考えておけるという利点があって悪くない。
例によって編集部による膨大なレポートがすでに掲載されているわけだが、例によって本連載でも僕の個人的な注目ポイントを「超個人的ベスト5」として挙げさせていただこう。(ちなみに前回のベスト5はこちら)
ところで東京大学アニメーション研究会五月祭企画「種田梨沙トークショー〜東大でみんなに会えてうれシード♪〜」、とても楽しかったです。主催の皆様と種田梨沙さん、ありがとうございました。
【第5位】エントリークラスプレーヤーが一挙に充実!
まず大歓迎したいのは、エントリークラスプレーヤーの大充実だ。エントリークラスと言っても3万円から7万円とかではある。しかし単体プレーヤーはスマートフォンでの音楽再生を音質でも機能でも明確に上回らなければ存在意義がない。それを考えればこのあたりがこのジャンルのエントリー価格帯となることは自然と思える。
いずれにせよ、超ハイエンドの充実も嬉しいけどそっちだけに傾倒されちゃうとちょっと…と感じていた方も少なからずであろう、このタイミング。そこで各社がまるで足並みを揃えたようにエントリークラスを充実させてきてくれた。僕もこれは歓迎したい。順位付けするならもっと上にしてもいいトピックなのだが、気になる方も多いだろうし文字数も多いしということで、まずはここから紹介しておこう。
▼Astell&Kern「AK Jr」直販69,800円
先陣を切って発表されていたのがAstell&Kern「AK Jr」だ。同社は祭り直前に超々ハイエンド「AK380」も追加発表&出展したが、個人的にはこちらAK Jrの方により大きな期待をしていた。
改めて実物を確かめてもその薄さと軽さはやはり印象的だ。僕は持ち歩くものを最小限にしたい性格で薄い鞄を使っているので、持ち歩くアイテムもそれへの収まりがよい薄型のものを好んで使っている。そんな僕も納得させられるスマートさ。また筐体の成型や仕上げも手抜かりなく、「安っぽさがない」ではなく「高級感がある」と言えるレベルだ。
操作性の面では、現状ではタッチ操作への反応速度(画面の切り替わり)が少しもたつくがいらつくほどではない。AKシリーズ初となる竜頭型ではなくフラットなボリュームダイヤルは、従来のカチカチと小刻みな精密さではなく、柔らかで滑らかな回し心地になっているが、手応えが悪いわけではない。
音の方は、現バージョンはおそらく中低域のしっかりとした厚みを意図的に確保していると思う。過剰ではないがそういう傾向なので、イヤホン側には軽やかさやキレを持ち味とするモデルを合わせると、全体として僕の好みのバランスになってくれる印象。実際に試した中ではFitEar「fitear」とaudio-technica「ATH-IM02」との組み合わせが特に好印象だった。
AK Jrの「シンプルで素直な回路によってDACチップ自体のオーディオ特性を引き出すことで手の届きやすい価格とサイズを実現する」というのは、初代「AK100」のコンセプトをいま再構築したモデルと言えると思う。AK100ファンとしても実に嬉しい。
今回も行ってきました春のヘッドフォン祭2015! 初日土曜日は東京大学のとある研究会の主催による学術的な講演会と重なってしまい参加できなかったのだが、日曜日参戦にも各メディアの報道を眺めて狙い所を事前に考えておけるという利点があって悪くない。
例によって編集部による膨大なレポートがすでに掲載されているわけだが、例によって本連載でも僕の個人的な注目ポイントを「超個人的ベスト5」として挙げさせていただこう。(ちなみに前回のベスト5はこちら)
ところで東京大学アニメーション研究会五月祭企画「種田梨沙トークショー〜東大でみんなに会えてうれシード♪〜」、とても楽しかったです。主催の皆様と種田梨沙さん、ありがとうございました。
【第5位】エントリークラスプレーヤーが一挙に充実!
まず大歓迎したいのは、エントリークラスプレーヤーの大充実だ。エントリークラスと言っても3万円から7万円とかではある。しかし単体プレーヤーはスマートフォンでの音楽再生を音質でも機能でも明確に上回らなければ存在意義がない。それを考えればこのあたりがこのジャンルのエントリー価格帯となることは自然と思える。
いずれにせよ、超ハイエンドの充実も嬉しいけどそっちだけに傾倒されちゃうとちょっと…と感じていた方も少なからずであろう、このタイミング。そこで各社がまるで足並みを揃えたようにエントリークラスを充実させてきてくれた。僕もこれは歓迎したい。順位付けするならもっと上にしてもいいトピックなのだが、気になる方も多いだろうし文字数も多いしということで、まずはここから紹介しておこう。
▼Astell&Kern「AK Jr」直販69,800円
先陣を切って発表されていたのがAstell&Kern「AK Jr」だ。同社は祭り直前に超々ハイエンド「AK380」も追加発表&出展したが、個人的にはこちらAK Jrの方により大きな期待をしていた。
改めて実物を確かめてもその薄さと軽さはやはり印象的だ。僕は持ち歩くものを最小限にしたい性格で薄い鞄を使っているので、持ち歩くアイテムもそれへの収まりがよい薄型のものを好んで使っている。そんな僕も納得させられるスマートさ。また筐体の成型や仕上げも手抜かりなく、「安っぽさがない」ではなく「高級感がある」と言えるレベルだ。
操作性の面では、現状ではタッチ操作への反応速度(画面の切り替わり)が少しもたつくがいらつくほどではない。AKシリーズ初となる竜頭型ではなくフラットなボリュームダイヤルは、従来のカチカチと小刻みな精密さではなく、柔らかで滑らかな回し心地になっているが、手応えが悪いわけではない。
音の方は、現バージョンはおそらく中低域のしっかりとした厚みを意図的に確保していると思う。過剰ではないがそういう傾向なので、イヤホン側には軽やかさやキレを持ち味とするモデルを合わせると、全体として僕の好みのバランスになってくれる印象。実際に試した中ではFitEar「fitear」とaudio-technica「ATH-IM02」との組み合わせが特に好印象だった。
AK Jrの「シンプルで素直な回路によってDACチップ自体のオーディオ特性を引き出すことで手の届きやすい価格とサイズを実現する」というのは、初代「AK100」のコンセプトをいま再構築したモデルと言えると思う。AK100ファンとしても実に嬉しい。