DALIやB&W、KEFなどと相性チェック!
ティアックのHi-Fi専用サブウーファー「SW-P300」を人気スピーカー4機種と組み合わせテスト
■TEAC「S-300NEO」
まず標準的な組み合わせと考えられる同社の「S-300NEO」に接続してみる。今回の試聴は、基本的にバッフル面を前向きにして行った。13cmの同軸型だが33kHz付近まで出ているようなので、クロスオーバーもそこに設定する。先にも触れたが、サブウーファーが鳴っているのがわからないくらいの音量にするのが重要である。
これで確かに音は変わる。それも低音だけではなく、全体の再現力が向上するのが面白い。ピアノは低音自体に大きな変化はないが、余韻の広がりがよく空間が深い。タッチもクリアで芯が締まる。バロックも響きが瑞々しく、鳴り方が楽々としてくる。またひとつひとつの音のピントがはっきりしてくるようだ。
オーケストラは重心が安定し、トゥッティでの厚みや手触りがリアリティを増す。ジャズやフュージョンでは低域の変化が直接現れるが、それが非常によく、ウッドベースがフロア型と同じくらいに明瞭で弾みがいい。フュージョンのベースも歯切れの良さが際立つ。
よくあるドロンとした低音ではない。なにより立ち上がりが速く、淀みや曇りのない質感がくっきりと出てくる。だからメイン・スピーカーとの間に違和感がないし、つながりが滑らかでほとんど鳴っているのがわからないくらいだ。
しかしスイッチを切ってみると明らかに出方が変わる。低音の弾みが失われ、高域にも活気がなくなる。どことなくどんよりと曇った感触で、低音がはっきりすると全体がこれだけ違うのだという証拠でもある。
これで本機の再現力は確認できた。そこでいま人気の高いスピーカー3種で、さらに鳴り方の違いを試してみることにした。
■DALI「ZENSOR1」
最初はDALIのZENSOR1である。接続と音量以外の設定は先ほどと同様だ。ただし本機の周波数特性は下が53Hzなので、クロスオーバーもそれに応じて微調整した。
ピアノはステージの出方がよく、わずかに甘さを含めながらにじみのない低音が引き出される。最低音域を巧みに補っている印象である。バロックは古楽器らしい張りのある響きが軽快に描かれ、バロック・チェロの低音が充実する。
ジャズはやはりベースやドラム、トロンボーンなどの出方に余裕がある。オーケストラでもそうだが、音数が増し切れのいい低域が曇りなく鳴っている。ボーカルもいたって自然だ。重心が落ち着いて解像度も上がるという効果である。