【第127回】急な入院！ 高橋敦が咄嗟に選んだ「入院イヤホン」

■入院イヤホン！Dynamic Motion DM100

まずは「DM100」の概要を押さえておこう。

といっても特別に大きな特徴と言えるのは一箇所、「Balanced Dynamic Driver」だ。

何ともややこしい名前のドライバーだが、意味合いとしては「音質面ではバランスド・アーマチュア型ドライバー的な細やかさも兼ね備える、でもダイナミック型ドライバー」とのこと。方式としてはダイナミック型ドライバーの側になる。

そのダイナミック型ドライバーの振動板の裏面に、波紋というか陰陽のように広がる形状のサスペンションパーツを貼り付けて、剛性を高めることで振動の損失を抑えより正確な振動を可能に。結果、ダイナミック型ドライバーらしい単基での自然な帯域バランス等と、前述のBA型らしい繊細な表現の両立を実現できたというわけだ。

こちらはそちらほど特殊な技術ではないが、音響調整の面でもうひとつのポイントはハウジングに設けられているエアフロー、空気孔だ。コンピューターシミュレーションで空流を解析し、音を整えてある。この空気孔はそのメッシュ部分を見ると大きめに思え、音漏れの恐れを感じはした。

しかし前述のように入院中は音が漏れるような大きな音で聴くつもりも聴けるわけもないので、そこは気にしないでおいた。