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折りたたみ可能で装着感も向上

【レビュー】音質が劇的進化。ゼンハイザー「MOMENTUM」第2世代機を聴く

公開日 2015/07/09 11:07 編集部:風間雄介
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高解像なサウンドに進化した「MOMENTUM G」

もともと優れたデザインであるだけに、外観上の変更は極力抑えながら、折りたたみ可能という新たなフィーチャーを加えた第2世代のMOMENTUM。だが、実際に音を聴いてみると、折りたたみ可能という機能の向上よりも、そのサウンドが劇的に進化していることに驚かされた。

MOMENTUM G(アイボリー)

まずはアラウンドイヤータイプのMOMENTUM Gから聴いていこう。従来のMOMENTUMは、良い意味で柔らかい音が持ち味の一つだったが、第2世代機は一転して高解像なサウンドに進化した。周波数特性16Hz〜22kHz、インピーダンス18Ωという数値は旧機種と同様であり、ここまで音が変わるというのが不思議なほどだ(音圧レベルは旧機種が110dB、新機種が113dBと若干変化している)。

たとえばコーネリアス『攻殻機動隊ARISE』O.S.T.から「GHOST IN THE SHELL ARISE」(FLAC 96/24)を再生すると、作り込まれた音の一つ一つが粒立ちよく、きれいに分離しており、細かなディテールまで視界良く見渡せる。

コーネリアス『攻殻機動隊ARISE』O.S.T.

低域から高域までしっかり伸び、弱音までしっかり拾う解像感を持ちながら、耳障りな印象は微塵もない。柴田淳「青春の影」(FLAC 96/24)では、潤いのあるボーカルやピアノの音色などもリアルに表現する懐の深さも併せ持ち、バランスがとてもよいのだ。

低域の表現力はどうかというと、これもハイレベル。マイケル・ジャクソン「Billie Jean」のベースやルー・リード「Walk on the Wild Side」のウッドベースなどを聴いたが、タイトな低域で表現力に富み、音楽の重要な支柱である低音を過不足無く再現する。

マイケル・ジャクソン『Thriller』(「Billie Jean」収録)

密閉型でありながら、豊かな音場表現性能も備える。テイラー・スウィフトの「Welcome To New York」(FLAC 44.1/24)を聴くと、サビの部分の彼女のボーカルのエコーがとても美しく表現され、音楽全体が奥深い立体感を持って眼前に浮かんでくる。音楽の魅力を十全に伝える高いパフォーマンスを備えていることがよくわかる。

スタイリッシュな外観から「オシャレヘッドホン」として括られることも多い本機だが、このサウンドは紛れもなく本物だ。

高い音場表現力まで獲得した「MOMENTUM On-Ear G」

続いてMOMENTUM On-Ear Gを聴く。筆者は第1世代機のMOMENTUM On-Earを所有しており、時折使っているので、今回の第2世代機との違いがより際だって聴こえた。

MOMENTUM On-Ear G(ブラック)

コーネリアス『Sensuous』の1曲目(FLAC 96/24)で聴き比べると、最初の風鈴の一音からして、ベールが一つ剥がれたようなクリアさが感じられる。その後に続くギターの音色も、違う楽器かと思えるほどの違いに驚く。第2世代機ではギターの弦をつまびく指を視覚的にイメージできるほど深みのある音色を聴かせるが、旧機種では、あくまで第2世代機と比較した場合の話ではあるが、やや平板な音に聴こえてしまうのだ。

コーネリアス『Sensuous』

その後、様々な音源で聴き比べても最初の印象は変わらなかった。より正確な音再現が可能になり、リアルな音色が楽しめるようになっただけでなく、オンイヤーながら高い音場表現力まで獲得している。

レベッカ「フレンズ-revive-」(FLAC 96/24)や宇多田ヒカル「First Love」(FLAC 96/24)など女性ボーカルを聴いても、旧機種では再現が難しかった細かな抑揚のテクニックまで表現できるため、新たな発見がいくつもあり、聴いていてとにかく楽しい。

レベッカ『REBECCA-revive-』




簡単ではあるが、MOMENTUM 第2世代機のファーストインプレッションをお届けした。

ここまで音質が進化したとなると、MOMENTUM第2世代機は単なるマイナーチェンジとは到底言えない。音に関しては全くの別物と言って間違いない。その上で、旧機種の美点であった高いデザイン性を踏襲し、さらに折りたたみ可能となったことで使い勝手の向上まで果たした。インドアでの使用はもちろん、屋外でもより手軽に使えるようになり、活躍する範囲も広がったことになる。隙の無い周到なアップデートによって、MOMENTUMはさらに大きな注目を集めることになりそうだ。

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