【特別企画】ネットワーク再生/USB-DAC/USBメモリ再生など多彩な活用
これ一台でハイレゾの楽しみ方いろいろ。パナソニックのシステムコンポ「SC-PMX100」
まずはネットワーク経由で再生。
強調感のない自然なサウンドがハイレゾの魅力を引き出す
ここからは、PMX100の再生音を実際に聴いていこう。最初はNASに保存したハイレゾ音源をネットワーク経由で聴く。パナソニックがリリースしている操作アプリ「Panasonic Music Streaming」(iOS/Android用)を使うと、ネットワーク内のNASやPC等の音源を閲覧して簡単に選択が可能だ。
まず、『What's New』を歌うリンダ・ロンシュタットの声のなめらかさ、高音の澄んだ音色に強い印象を受けた。ヴォーカルを支えるストリングスの音色にもくせがなく、誇張がない。
サイズに制約のあるミニコンポは、高音と低音を強調してメリハリの強い音調を狙うことが少なくないのだが、PMX100のサウンドは余分な強調感がなく、低域から高域まで自然なバランスにまとめている。そのバランスの良さは一世代前のPMX9から受け継いだもので、小口径ながら3ウェイ構成を採用したことが、本機でも大きな成果を生んでいる。
声はなめらかだがくぐもることはなく、倍音の音域まで自然に伸びていることが明らかだ。高音の柔らかい感触は、システム全体の帯域の広さと深い関係があるのだ。
マイケル・ジャクソンの『ビリー・ジーン』(176.4kHz/24bit、FLAC)は、リズム楽器の歯切れの良さと抜けの良いヴォーカルが聴きどころだ。特に、ベースは音が出る瞬間のスピードに加えて、音が消えるときに素早く制動が効き、ピタリと音が止まる。そのレスポンスの良さは、竹プラントオパールを混入して内部損失を高めるなど、14cmウーファーの振動板を改良した効果だと思う。
ベースの切れが良いと、小音量で聴いてもリズムの音形が鮮明に浮かび、大きめの音で再生したときにも低音がむやみにふくらまない。低音の反応の良さはデジタルアンプの長所でもあるので、改良を加えたウーファーとの組み合わせが相乗効果を生んでいるのだろう。立ち上がりの速さと切れの良さは、ギターが刻むリズムからも聴き取ることができた。
次ページ手軽にハイレゾを楽しみたいならUSBメモリー経由で。