高い完成度でVODの常識を変えるか?
【レビュー】Netflixを試す。4Kも充実、リモコンでもスマホでも快適操作
■クオリティコンシャスな企業姿勢
最後にコンテンツについても触れておこう。すでに当サイトのニュース記事などで何度もお伝えしているとおり、Netflixには良質なコンテンツを自前で制作する能力があり、それが他サービスに対する大きな差別化要素になっている。
実際にNetflixのホーム画面には、サムネイルの上に赤い「NETFLIX」ロゴが置かれたタイトルが多いことに気づく。著名なアワードで作品賞を受賞したコンテンツも数多い。
さらにNetflixは、画質や音質に関して、とても力を入れている企業でもある。4K映像配信にいち早く取り組んだのも同社だったし、HDR映像の配信も予定している。「今後オリジナル制作するアクション作品のほとんどを4K仕様で配信する」と同社幹部が語っており、クオリティを重視するAVファンにとっても無視できない存在だ。
またオリジナルコンテンツでは、日本のユーザーに受け入れられる独自コンテンツにも注力する。フジテレビや吉本興業との協業がすでに発表されているが、「長い時間をかけてローカライゼーションに取り組む」と述べていることから、今後も様々な活動を行い、持続的にコンテンツを投入していくはずだ。
数あるコンテンツの中でも、特に見る人の割合が多いと思われる映画については、様々なキーワードで検索してみたところ、まだそれほど数が多くない印象。特に新作はほとんどない。また、たとえば邦画の名作を探そうと「小津安二郎」「黒澤明」などで検索しても、1作もない。今後の展開次第だが、映画をメインに視聴したい場合は、今後の充実を待っても良いだろう。
短期間での試用ではあったが、対応テレビでの使用感は、サクサクとした動作、再生開始するまでのタイムラグの短さ、再生画質、シンプルな使い勝手など、とても高いレベルにあると感じた。
またアプリについても、単体での使用を便利に行えるのはもちろん、テレビとの連動機能(キャストやAirPlay)などを利用することで、サービスインの段階ですでにハイレベルな使用感を実現している。
細かな注文は記事中に少しずつ書かせてもらったが、さすがに世界最大級のユーザー数を誇るサービスだけあり、全体的に隙のないクオリティに仕上がっている。料金にも割安感があり、今後コンテンツが増えたらさらにコストパフォーマンスの高さが際立つはずだ。
(風間雄介)