様々な挑戦によって誕生
【レポート】ロジテックから登場、iPhone直結小型ポタアン「LHP-AHR192/CHR192」を読者が体験!
■アルミ素材の選定一つにも様々なこだわり
背面のクリップについても、好意的な意見が多く聞かれた。「回転するのはいいですね。これなら邪魔にならない場所に気軽に取り付けて使えます」「クリップで付けても、本体が軽量なのであまり服の形が崩れません」など、具体的な利用シーンをイメージした感想が聞かれた。
アルミを採用した筐体については、「高級感がある素材で気に入った」という声が多く聞かれる一方、「ほかの素材でさらに軽くするという選択肢はなかったのか」という質問も出た。
これを受けて大場氏は「ロジテックはオーディオブランドとしては後発です。商品を成り立たせるだけなら樹脂でも可能ですが、高級感をしっかり出して、オーディオファンの方々にも手にとって頂きたいと考えました。もちろん音質に対するメリットも大きいです」とアルミ筐体を採用した理由を述べた。
また遠藤氏は「開発段階では、アルミでもう少し軽い素材を使って試作もしました。高域はそれほど変化がなかったものの、低域については、最終的に採用した素材の方が分解能が上がったんです」と、素材選定の背景についてくわしく解説した。
■最も気になる、Lightningアダプターの音質とは?
気になる音質面についても、来場者の評価は非常に高かった。「コンパクトサイズながらパワーがあり、広がりも出てポタアンの役目を十分果たしている」と、本機のポテンシャルを高く評価する声が多く、「装着することで余裕が感じられる音になりますね」と駆動力の高さについて賞賛する声が目立った。
ハイレゾ音源再生時の音質については、「フラットで聴き疲れしない印象です」という意見が多く、誇張感のない、素直な音作りを支持する声が目立った。「iPhoneでこの音が聴けたら大満足です」という声に、多くの来場者の感想が集約されていたように思う。
そのほか、「ハイレゾ音源以外の楽曲でも音が良くなる」「AACもいい音で聞こえた」など、非ハイレゾや圧縮音源再生時のクオリティを高く評価する意見も多かった。ハイレゾ音源が増えているが、まだライブラリーの大半は非ハイレゾという方も多いだろう。そういった楽曲を聴く際にも、本機の駆動力が効果を発揮する。
イベント後に書いて頂いたアンケートでも「発売したらすぐに購入します!」という回答があり、本機の実力に満足した方が多かったようだ。
そのほかに多かった質問はAndroid対応モデルの可能性。これについては鋭意開発を進めているとのことで、近い将来に何らかの発表ができるだろうという。
なお大場氏は、「Androidスマホでもハイレゾ対応のものが出てきていますが、薄型の筐体に、超高速なプロセッサーなどとともにDACを内蔵していることもあり、ノイズの影響がかなり出ます。PCでも外付けDACの方が音質に有利なように、スマホでもDACは外付けにしたほうが音質的に有利です」とも説明した。
今回のイベントでは、このレポートには書けない裏話も多く飛び出し、ものづくりの難しさや面白さに、編集という立場ながら思わず聞き入ってしまった。この製品は、ロジテックやエレコムの、数多くの「挑戦」によって実現した。その挑戦は、本機のスペックや音質、そして使い勝手として結実している。