【特別企画】ウォークマンやAK120IIとの組み合わせで折原一也が聴く
マクセルからハイレゾ対応イヤホン「MXH-RF550」&バランス対応機「MXH-RF550B」登場!その音質を速攻チェック
まずカーペンターズの『トップ・オブ・ザ・ワールド』を聴くと、ボーカルや演奏の音の立ち上がりが精緻。ベースの重低音は量的な沈みを持っているが、メロディラインをタイトに再現し、音源の録音状態により正確なタイプといった印象だ。ただし持ち前の音空間の広さは健在。徹底したS/N志向で音空間を展開しつつ、各パートを引き締めながら鳴らす。
『オンリー・イエスタデイ』でも、ドラムの音はタイトな質感を保ちながら、明瞭に音の移動を描く。楽器間の音のセパレーションが明確になるので演奏の解像感も良好に感じられる。
三代目J.Soul Brothers form EXILEのような現代的な楽曲は、より精悍かつ緻密なサウンド。男性ボーカル二人の声や、徹底的にエッジを効かせて鳴る演奏の立ち上がりは、音源の端々にまで意識を集中させる。モニター系の鳴りを追求するなら本機とAK120IIはベストマッチといえる。
全く毛色の異なる楽曲を聴いても楽しいのでは、とコーネリアスのアルバム『Sensuous』も聴いてみた。緻密な音の再現に長けたイヤホンなので、こうしたサンプリング系で作り込んだ楽曲との相性も抜群だ。
アルバムのなかの一曲『Music』では、アコースティックギターの余韻の美しさをうまく再表現するだけでなく、遊び心たっぷりに配置された様々な音の位置感再現も実に面白い。多重的に重ねられたコーラスも音配置まで見通せる。
ちなみに、AK120IIは通常の3.5o端子も備えているが、こちらでの再生時にも基本的な音の方向性は変わらない。ワイドレンジで精緻なモニター系、かつ音場表現に優れるサウンドだ。そこをベースに、バランス接続では重低音の音の量的な密度感を増し、また音の立ち上がりがよりハイスピードになり、弾けるようなリズム感が得られる。
今回、MXH-RF550/MXH-RF550Bを試聴してみて、想像を上回る音質であることに驚くとともに、プレーヤーの性格を非常によく引き出すイヤホンであることも印象的だった。通常の音楽リスニング用はもちろんのこと、自慢のプレーヤーやポタアンの能力をチェックするためのリファレンスイヤホンとしても通用するモデルといえる。