<山本敦のAV進化論 第79回>
話題の「バーチャル・リアリティ」を体験! サムスン「Gear VR」でNetflixや初音ミクを鑑賞
やはりCG映像との相性は抜群に良く、音楽も作りこまれているコンテンツなので、自然と仮想空間の世界に引き込まれてしまった。画像は十分に色鮮やかで明るく鮮明。こちらに向かって手を振るミクの指先が何本にもダブって見えるなど、改善点は見られるものの、致命的な表示遅延やコマ落ちなどもない。
シューティングゲームも試してみたが、頭のモーショントラッキングやタッチパッドの操作の遅延によるストレスは感じられなかった。実風景をキャプチャーした静止画による360度映像については、まだディティールが甘いと感じられる点がなくもないが、現時点では許容範囲内ではないだろうか。
なお、Gear VRで楽しめるコンテンツにはゲームなど端末にダウンロードしてオフラインで楽しめるものもあれば、Wi-Fi経由でコンテンツをストリーミングできる環境が必要なものもある。後者については言うまでもなく、映像表示のコンディションはネットワーク環境に依存する。
「Netflix」もGear VRに最適化されたアプリが用意されている。画面には360度に広がる擬似的なホームシアター環境が再現され、正面のスクリーンでNetflixで提供されているコンテンツが視聴できるようになる。
まさに夢のホームシアターが最もコンパクトなスペースで再現できてしまうのだが、ここで少し気になったのが、字幕にフォーカスを合わせると本編の映像へのピントがずれてしまったり、視点の微調整が難しかったこと。字幕付きのコンテンツについては長時間観ていると目が疲れてきてしまった。
なおコンテンツの音声はGalaxyから出力されるので、端末にイヤホンやヘッドホンをつないだり、Bluetoothスピーカーを併用すればさらに臨場感のあるシアター体験に近づけられる。
■身に着けると周りの現実風景はほぼ完全に遮断
Gear VRを装着している感覚はまさにゴーグルに近い。目の周りをカバーする柔軟なパッドがしっかりと身体に密着するので、身に着けると周りの現実風景はほぼ完全に遮断される。光漏れもほとんどない。
今後改善を望むとすれば、今は「バックボタンの長押しでユニバーサルメニューに戻ってから、パススルーカメラ機能をオンにする」というアクションをより簡略化してほしいという点だろうか。外の映像をサブ画面としてピクチャーインピクチャー表示できたりするとさらに便利になるだろう。
なおGear VRでコンテンツ視聴中に着信があったり、メールが届くと画面に通知がポップアップする。電話の場合はタッチパッドのスワイプ操作で着信拒否の動作が可能だ。
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