旧モデルとの比較試聴も実施
エソテリックの“スタンダード”SACDプレーヤー「K-05X」「K-07X」が果たした進化を検証
エソテリックの一体型SACDプレーヤー「Kシリーズ」には、フラッグシップ「Grandioso」シリーズで開発された技術が惜しみなく投入されている。それは同シリーズのスタンダードモデルである「K-05X」「K-07X」においても同様だ。今回はこの2機種を特に取り上げ、その進化を探っていきたい。
■2モデルの概要/前モデルからの進化点
熟成されたメカ部は踏襲して、DACの刷新と細部を磨き上げた
今回取り上げるK-05XとK-07Xの大きな違いはメカドライブだ。K-05Xは上位機種からの流れを継承するVRDS-NEO「VMK-5」を搭載。上側からすり鉢状のターンテーブルをディスクに被せる仕組みのVRDSメカだ。ディスク回転の面振れを補正して読み取り精度を上げる考え方だ。このメカは従来モデル「K-05」から踏襲されている。
それに対してK-07Xに使われているのがVOSPメカである。VRDSのターンテーブルこそ持っていないが、大口径のスタビライザーを装備。レンズを移動させた時に、レーザーの光軸が常時垂直方向を維持し、信号を高い精度で読みとる機構はGrandiosoP1以下の高級機と同じシステムだ。同じくこのメカも「K-07」より踏襲された。それだけ実績を持った性能の高いものと言える。
両モデルに共通して進化した部分をあげてみよう。D/Aコンバーター部のDACデバイスが先代の「AK4399」(K-05)と「AK4392」(K-07)から、両機種ともに旭化成のハイエンド・プレミアムDACである「AK4490」になった。回路規模も片チャンネルあたり2回路(1チップ)から4回路(2チップ)となり、先代の2倍の規模となる贅沢なものとなった。DACチップ自体は32bitの分解能である点は両者一緒だが、このチップを使って「34bit D/Aプロセッシング」アルゴリズム回路を構成している点も特徴となる。また、DACの電源部には「Grandioso C1」の考え方を踏襲。大容量のスーパーキャパシター(EDLC=エレクトリック・ダブルレイヤー・キャパシター)をチャンネルあたり合計で50万マイクロファラッド分搭載し、電源を強化。ドライブ能力を高める設計意図が伺える。
バッファーアンプは最上位機譲り。USBの対応度もさらに向上させた
また、バッファーアンプ回路もGrandioso C1の考え方を踏襲。優れた電流伝送能力と強力なドライブ力を誇る独自のHCLD Type2回路を搭載し、接続先のアンプを強力にドライブしようという強い意志を感じる。
その他にはUSB-DAC機能を充実させ、PCM系が384kHz、DSD系は11.2MHzにまで対応させてきた。同ブランドのマスター・クロック・ジェネレーター「G-02」を接続させる端子も装備している。
■従来モデルとの比較試聴による音質チェック
<K-07X>ハイファイ性能の向上は凄まじく、解像度の向上も別もの
エソテリックの試聴室で、プリメインアンプ「I-03」でタンノイの「Definition DC8Ti」を鳴らすシステムを使って試聴した。まずは「K-07」と「K-07X」との直接比較である。
K-07の音はしっかりとした骨格を内在させながら、いい意味でマイルドであり、滑らかなトーンを持っている。実はそれはメカドライブから来ているものと考えていた。しかし、同じメカを使いながらK-07Xでのハイファイ性能の向上はすさまじいものがある。そもそも音の剛性感や実体感が2ランク以上向上し、同時にキメ細やかになり解像度の上がり方も別ものである。先代は兄貴たちの肉食系に対して草食系というイメージがあったが、K-01XからK-07Xまでの方向性がビシッとひとつに揃ったのを感じる。
オーケストラを聴いた時の空間表現力の高さや、音像の立体感も凄い。オーケストラとソロヴァイオリンを聴くと、ヴァイオリニストがカラダの向きを変えることも見えてきてしまうのだ。どんなジャンルの音楽を聴いても楽しみが増えると感じられる。
そもそも音が実に良く立っているのだ。考えてみればDAC部とバッファーアンプ部を入れ換えているのだから変わって当然なのだが、フルモデルチェンジ相当の進化とお伝えしたい。本機についてはUSB-DAC機能は試さなかったが、当然ディスクを聴いた音の向上がそのまま当てはまると思う。
■2モデルの概要/前モデルからの進化点
熟成されたメカ部は踏襲して、DACの刷新と細部を磨き上げた
今回取り上げるK-05XとK-07Xの大きな違いはメカドライブだ。K-05Xは上位機種からの流れを継承するVRDS-NEO「VMK-5」を搭載。上側からすり鉢状のターンテーブルをディスクに被せる仕組みのVRDSメカだ。ディスク回転の面振れを補正して読み取り精度を上げる考え方だ。このメカは従来モデル「K-05」から踏襲されている。
それに対してK-07Xに使われているのがVOSPメカである。VRDSのターンテーブルこそ持っていないが、大口径のスタビライザーを装備。レンズを移動させた時に、レーザーの光軸が常時垂直方向を維持し、信号を高い精度で読みとる機構はGrandiosoP1以下の高級機と同じシステムだ。同じくこのメカも「K-07」より踏襲された。それだけ実績を持った性能の高いものと言える。
両モデルに共通して進化した部分をあげてみよう。D/Aコンバーター部のDACデバイスが先代の「AK4399」(K-05)と「AK4392」(K-07)から、両機種ともに旭化成のハイエンド・プレミアムDACである「AK4490」になった。回路規模も片チャンネルあたり2回路(1チップ)から4回路(2チップ)となり、先代の2倍の規模となる贅沢なものとなった。DACチップ自体は32bitの分解能である点は両者一緒だが、このチップを使って「34bit D/Aプロセッシング」アルゴリズム回路を構成している点も特徴となる。また、DACの電源部には「Grandioso C1」の考え方を踏襲。大容量のスーパーキャパシター(EDLC=エレクトリック・ダブルレイヤー・キャパシター)をチャンネルあたり合計で50万マイクロファラッド分搭載し、電源を強化。ドライブ能力を高める設計意図が伺える。
バッファーアンプは最上位機譲り。USBの対応度もさらに向上させた
また、バッファーアンプ回路もGrandioso C1の考え方を踏襲。優れた電流伝送能力と強力なドライブ力を誇る独自のHCLD Type2回路を搭載し、接続先のアンプを強力にドライブしようという強い意志を感じる。
その他にはUSB-DAC機能を充実させ、PCM系が384kHz、DSD系は11.2MHzにまで対応させてきた。同ブランドのマスター・クロック・ジェネレーター「G-02」を接続させる端子も装備している。
■従来モデルとの比較試聴による音質チェック
<K-07X>ハイファイ性能の向上は凄まじく、解像度の向上も別もの
エソテリックの試聴室で、プリメインアンプ「I-03」でタンノイの「Definition DC8Ti」を鳴らすシステムを使って試聴した。まずは「K-07」と「K-07X」との直接比較である。
K-07の音はしっかりとした骨格を内在させながら、いい意味でマイルドであり、滑らかなトーンを持っている。実はそれはメカドライブから来ているものと考えていた。しかし、同じメカを使いながらK-07Xでのハイファイ性能の向上はすさまじいものがある。そもそも音の剛性感や実体感が2ランク以上向上し、同時にキメ細やかになり解像度の上がり方も別ものである。先代は兄貴たちの肉食系に対して草食系というイメージがあったが、K-01XからK-07Xまでの方向性がビシッとひとつに揃ったのを感じる。
オーケストラを聴いた時の空間表現力の高さや、音像の立体感も凄い。オーケストラとソロヴァイオリンを聴くと、ヴァイオリニストがカラダの向きを変えることも見えてきてしまうのだ。どんなジャンルの音楽を聴いても楽しみが増えると感じられる。
そもそも音が実に良く立っているのだ。考えてみればDAC部とバッファーアンプ部を入れ換えているのだから変わって当然なのだが、フルモデルチェンジ相当の進化とお伝えしたい。本機についてはUSB-DAC機能は試さなかったが、当然ディスクを聴いた音の向上がそのまま当てはまると思う。