バランス駆動ヘッドホンアンプの音質もチェック
ハイエンドオーディオ技術を卓上サイズに凝縮。AYREのDAC/ヘッドホンアンプ「CODEX」を聴く
■3.5mmステレオミニ端子×2によるバランス駆動に対応
デジタル入力、非同期のアシンクロナス・モードを採用したUSB入力をQB-9から継承。加えて、光デジタル入力を1系統備えている。ヘッドホン出力は、φ6.3mmのステレオ標準端子と、バランス駆動との兼用となる2系統のφ3.5mmステレオミニ端子を用意する。このバランス駆動端子の構成はPono Playerと同様で、ソニーのヘッドホンアンプ「PHA-3」とも同じ方式だ。よってソニー製のバランス駆動対応ヘッドホンとの接続も可能だ。
ライン出力はRCAとXLRの2系統を備え、プリアンプモードと出力固定のDACモードの選択が可能だ。電源部もリニア方式ディスクリート構成にこだわるAyreらしく、超低ノイズ・高安定性を誇る独自のAyreLockボルテージ・レギュレーターを搭載。小型機に多いACアダプターではなく、IECコネクターを使った本格的な仕様だ。
ヘッドホン組み合わせ試聴<1>シュア「SRH1840」
■ナチュラルかつ密度の高い表現。鳴らしにくさを感じさせない
まずはCODEXのヘッドホン再生のクオリティを、通常のシングルエンド・アンバランス接続で確認してみた。はじめに用いたのは、ニュートラル基調のサウンド性を持つシュア「SRH1840」だ。
この組み合わせでは、密度が高くスムーズな表現力が引き出され、特に高域では鮮度の高さを感じさせられる。ウッドベースなどの低域表現は、弾力よく滑らかだ。管弦楽器の付帯感なく爽やかな旋律は、ローエンドの締まり良いクリアな音場へ展開。個々のパートも粒立ち細かく、ナチュラルに浮き上がる。ロックのリズム隊もキレ良くしなやかで、ボーカルも自然に定位。余韻の階調の細やかさも見事で、ホールトーンの瑞々しい響きや、ボーカルにかけられたリヴァーブの表現まで丁寧に描ききる。
音場も広さがあり、DSD音源では音像が生々しく立体的。SRH1840は比較的鳴らしにくいヘッドホンだが、CODEXはそうした雰囲気を全く感じさせず、低域方向の伸びやかさもゆとりがある。モニターライクな硬質さとは裏腹の、朗らかかつ有機的なサウンドでドライブしてくれた。
ヘッドホン組み合わせ試聴<2>ゼンハイザー「HD650」
■バランス駆動では低域が引き締まり、自然な余韻の響きまで引き出す
ここからはシングルエンド接続と、バランス駆動それぞれの能力を複数のヘッドホンで検証していきたい。一つ目はリファレンス機のロングセラー、ゼンハイザー「HD650」である。
アンバランス接続では、HD650ならではの濃密で流麗なサウンドが展開される。ストリングスは張り艶よく滑らかで、ホールトーンは豊潤な響きに包まれる。ベースラインは密度が高くリッチ。しかも、ただ豊かに押し出すのではなく、太さを持たせるとともに締まりの良いビートのキレもしっかりと表現。ピアノは温かみのある響きで、高域のハーモニクスは華やかだ。ボーカルは肉付き良く潤い良いテイストである。解像度も高く、安定感あるサウンドが楽しめた。
ここでケーブルをφ3.5mmミニプラグ×2仕様へ改造したものと交換し、バランス駆動を試してみた。すると低域は弾力感が増し、締まりの良い表現へと移行。管弦楽器やピアノのボディも、密度を保ったままスリムに引き締めている。余韻の響きが自然で、旋律の動きも非常にスムーズだ。ボーカルは付帯音が抑えられ、口元の動きまでリアルに描き出される。
デジタル入力、非同期のアシンクロナス・モードを採用したUSB入力をQB-9から継承。加えて、光デジタル入力を1系統備えている。ヘッドホン出力は、φ6.3mmのステレオ標準端子と、バランス駆動との兼用となる2系統のφ3.5mmステレオミニ端子を用意する。このバランス駆動端子の構成はPono Playerと同様で、ソニーのヘッドホンアンプ「PHA-3」とも同じ方式だ。よってソニー製のバランス駆動対応ヘッドホンとの接続も可能だ。
ライン出力はRCAとXLRの2系統を備え、プリアンプモードと出力固定のDACモードの選択が可能だ。電源部もリニア方式ディスクリート構成にこだわるAyreらしく、超低ノイズ・高安定性を誇る独自のAyreLockボルテージ・レギュレーターを搭載。小型機に多いACアダプターではなく、IECコネクターを使った本格的な仕様だ。
ヘッドホン組み合わせ試聴<1>シュア「SRH1840」
■ナチュラルかつ密度の高い表現。鳴らしにくさを感じさせない
まずはCODEXのヘッドホン再生のクオリティを、通常のシングルエンド・アンバランス接続で確認してみた。はじめに用いたのは、ニュートラル基調のサウンド性を持つシュア「SRH1840」だ。
この組み合わせでは、密度が高くスムーズな表現力が引き出され、特に高域では鮮度の高さを感じさせられる。ウッドベースなどの低域表現は、弾力よく滑らかだ。管弦楽器の付帯感なく爽やかな旋律は、ローエンドの締まり良いクリアな音場へ展開。個々のパートも粒立ち細かく、ナチュラルに浮き上がる。ロックのリズム隊もキレ良くしなやかで、ボーカルも自然に定位。余韻の階調の細やかさも見事で、ホールトーンの瑞々しい響きや、ボーカルにかけられたリヴァーブの表現まで丁寧に描ききる。
音場も広さがあり、DSD音源では音像が生々しく立体的。SRH1840は比較的鳴らしにくいヘッドホンだが、CODEXはそうした雰囲気を全く感じさせず、低域方向の伸びやかさもゆとりがある。モニターライクな硬質さとは裏腹の、朗らかかつ有機的なサウンドでドライブしてくれた。
ヘッドホン組み合わせ試聴<2>ゼンハイザー「HD650」
■バランス駆動では低域が引き締まり、自然な余韻の響きまで引き出す
ここからはシングルエンド接続と、バランス駆動それぞれの能力を複数のヘッドホンで検証していきたい。一つ目はリファレンス機のロングセラー、ゼンハイザー「HD650」である。
アンバランス接続では、HD650ならではの濃密で流麗なサウンドが展開される。ストリングスは張り艶よく滑らかで、ホールトーンは豊潤な響きに包まれる。ベースラインは密度が高くリッチ。しかも、ただ豊かに押し出すのではなく、太さを持たせるとともに締まりの良いビートのキレもしっかりと表現。ピアノは温かみのある響きで、高域のハーモニクスは華やかだ。ボーカルは肉付き良く潤い良いテイストである。解像度も高く、安定感あるサウンドが楽しめた。
ここでケーブルをφ3.5mmミニプラグ×2仕様へ改造したものと交換し、バランス駆動を試してみた。すると低域は弾力感が増し、締まりの良い表現へと移行。管弦楽器やピアノのボディも、密度を保ったままスリムに引き締めている。余韻の響きが自然で、旋律の動きも非常にスムーズだ。ボーカルは付帯音が抑えられ、口元の動きまでリアルに描き出される。