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<連載:折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト>

いよいよ日本でも本格始動、Ultra HD Blu-rayの4K/HDR映像は何がすごいのか

公開日 2016/05/11 10:20 折原一也
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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のチャプター2以降では、ロングショットでの画面全体の“ヌケ感”とも呼ぶべき4Kの精細感、そして空の青が圧倒的に美しい。

BD版で視聴した人には、「マッドマックスで青い空が印象的なシーンなんてあったっけ?」と思うかもしれないが、物語の大部分の舞台である荒野のシーン、BD版ではほとんど飛んでしまっていた白い空には、本当は青空と白い雲が浮かんでいたのだ。

UHD BDに加えて通常版のBDとデジタルコピーも同梱されている

チャプター3でマックス達が見舞われる嵐と閃光の連続も、UHD BDでしか為し得ないその画面の強烈なイメージを焼き付ける。BD版ではそれほど印象に残らなかった箇所なのだが、UHD BDでは眩しさが強烈に表れる。

チャプター7の夜戦のシーンの階調も、BDでは為し得ない領域に及んでいる。沈んだブルーの階調性も相当に丁寧だ。UHD BDでは暗部階調とディテールを両立できるが、これを実際に表示するにはディスプレイ側にも相当な暗部階調、単に黒の沈み以上に低輝度時の色の正確さが求められる事になるだろう。VIERA DX950のチューニングも、こうした暗部階調の正確さに力点を置いている。

■画面全体の情報量がケタ違いの『オデッセイ』

続いて視聴したのは、20世紀FOXの北米版『オデッセイ』。実はこの作品、一見すると、さほどHDRを意識した演出がなされていない。ただし、例えばチャプター2の火星の暴風のシーンに至るまでの不気味な空、暗雲の不気味な明るさは、やはりBDでは現れない領域だ。

取材時の様子

特に素晴らしいのは、サバイバルの拠点となる火星基地内の描写。内部壁面の白色の透明度の高さ、色のヌケ感が圧倒的で、画面全体のキレ味が素晴らしい。マッド・デイモン演じるマーク・ワトニーの所作も、4Kらしい映像のキメ細かさ、あるいはそこに存在するような実体感を伴うリアルさがある。

UHD BD版のあとに通常BD版を視聴すると、その画質の落差に驚く。例えば基地内の暗所の情報も鮮明に現れることがないし、火星の褐色の土も、どこか情報が足りないと思えてしまう。

さて、ここで少し違った側面から、UHD BD映像の効果に触れておきたい。

今回、画質チェックはVIERA DX950の「シネマプロ」設定で、部屋の照明を落として行った。だが、実はUHD BDの映像については「シネマプロ」の設定のまま、間接照明のリビング程度の明るさ(100ルクス程度)にしても、全く違和感なく視聴できた。

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