<山本敦のAV進化論 第91回>キーワードは「UI革命とモバイル連携」
ソニー独自UI「XMB」廃止。旧モデルユーザーの筆者が新モデルから考える“今どきのBDレコーダー”
ZT2000の番組表は、一画面に表示できる放送局の数が増えて、番組情報も出演ゲストが確認できるようエリアが拡大表示されている。リモコンでカーソルを合わせた番組は、その詳細情報が番組表のボトムに表示されるのでダブルチェックに便利だ。ホワイトの背景色に黒系の文字表示になったことで、番組表も一段と見やすくなった。
ユーザーインターフェースではもう1つ、録った番組を「見る」ための「録画リスト」が大きく改善された。XMBではグローバルメニューの「ビデオ」を選択した状態で十字キーを上下に押して、ずらりと並ぶ録画番組のサムネールの中から見たい番組を素速く探せる。カーソルが高速で移動できるので操作感は悪くないのだが、録った番組の一覧性はあまりよくなかった。
新機種のZT2000では、録画リストが番組内容のジャンルを自動で判別して分類するため、見たい番組に少ないステップで辿り着ける。ジャンルの自動仕分けはEPG情報をきめ細かく拾って分類している。また、一例を挙げればテレ朝の「ミュージックステーション」のような音楽バラエティは、ジャンル分けの「音楽」と「バラエティ」の両方で表示されるので、録った番組が大量のアーカイブに埋もれて死蔵してしまうのも防げる。
新設された「みんなの予約ランキング」は、インターネットに接続された各ユーザーのBDZシリーズのレコーダーから録画情報を集計し、面白そうな番組をレコメンドしてくれる機能だ。モバイルアプリ「Video & TV SideView」では一足先に搭載されている機能なので、筆者はふだん番組改編期に見る価値のありそうな番組をチェックするときに活用している。
「おまかせ・まる録」はデータベースの精度が向上。たとえば「EXLIE」を登録したら、兄弟グループ「3代目J Soul Brothers」の関連番組が録られているといった具合だ。残念ながら今回の短いテスト期間ではその実力を実感するまでには至らなかったが、元もと精度の高い自動録画機能のスケールアップするのは歓迎したい。
その他、AVC長時間録画モードに高圧縮「16倍」の「EER」が加わった。標準「SRモード」の約8Mbpsに対して、EERでは約1.5Mbpsと一段と低いビットレートだが、ニュースやバラエティ番組など情報として映像をチェックするぶんには十分な画質だ。
■リモート視聴機能もブラッシュアップ
筆者は昨年末にスマホを5.5インチの大画面モデルに換えて、春にはiPad Proを購入したこともあって、いったん飽きかけていたリモート視聴を再び頻繁に使うようになった。BDZ-ZT2000では、「Video & TVSideView」アプリと連携したリモート視聴機能もブラッシュアップされた。
Video & TVSideView(旧 TVSideView)は2014年3月にリモート視聴が始まった頃にローンチされたモバイルアプリだ。同年10月にはレコーダーよりひと足早く「予約ランキング」機能を取り込み、以後も連続もののドラマやアニメなどを番組ごとにまとめられる録画リストの改善や、回転表示への対応などインターフェースの機能追加を充実させてきた。
新機種のBDZ-ZT2000から、登録したモバイル端末への2ストリーミング同時配信がはじめて可能になった。これによりテレビを含む3つのデバイスで同時にレコーダーが利用できるようになる。