【特別企画】3種類のオペアンプ別に聴き比べ
オペアンプ交換も楽しめるハイレゾプレーヤー! ベンチャークラフト「VALOQ」レビュー
■ハイレゾまわりの仕様も妥協なし。内部パーツや構成も高音質化を徹底
ベンチャークラフトにとって初めてのハイレゾDAPなのに、ハイレゾ再生まわりの機能には妥協ひとつ感じられない。DSD/リニアPCM形式のハイレゾ再生はネイティブ再生だけでなく、AKMの32bit対応2chデジタルサンプリングレートコンバーター(SRC)「AK4137」を内蔵したことにより、CD音質のソースも最大DSD 5.6MHz、リニアPCM384・352.8kHz/32bitまでアプコン再生できる。
交換可能なDAC出力部ローパスフィルターのオペアンプには、標準仕様として新日本無線の「MUSES 8820」を搭載。背面にあるパネルを星形のトルクスドライバー(T5)を使って開き、中のオペアンプICを交換する仕様だ。なおオペアンプを交換する際にはハンダ付けなど複雑な作業は不要だが、交換作業は慎重に、そしてあくまで自己責任で行うのが原則だ。
内部のパーツ構成や構造についても高音質化を徹底している。VISHAY社製のメルフ抵抗を採用したことで、熱雑音を抑えてノイズフロアを低くした。ルビコンPMLフィルムコンデンサーもノイズ低減に一役買っている。低誘電率基板を6層マルチレイヤー状に重ね、上下層の配線を電気的につなぐために設けた「ビア」の部分をメッキ素材で埋め込むことにより、電気信号を通す面積を広げて電源の安定化を図る「Filled VIA構造」を採用。より引き締まった低音とクリアな中高域再生に結びつけている。
本体のメインフレームには電磁による音質劣化を避け、堅牢性も高められるメリットから宇宙素材カーボン繊維樹脂が使われている。
■物理ボタンやボリュームダイヤルを採用したオーディオライクなUI
昨今はAndroid OSにタッチパネル液晶を搭載したマルチアプリケーション対応のハイレゾDAPも増えているが、VALOQでは心地よいクリック感の物理ボタンやボリュームダイヤルを使った、オーディオライクなユーザーインターフェースを特徴としている。
本体のトップには電源スイッチを兼ねた、81ステップで細かく調整ができるボリュームダイヤルを搭載。右側面には、上から本機の特徴的なUIである「シャトルスイッチ」を搭載。その下に「戻る」ボタン、誤操作を防ぐためのロックスイッチと、microSDカードスロットが順に並ぶ。充電兼データ転送用のmicroUSB端子は本体の底面にある。
音楽再生中の操作は側面のシャトルスイッチと戻るボタンでほぼ全てまかなえる。ダイヤル式のシャトルスイッチを上下に回すと楽曲のサーチ、クリックして押し込むと再生/一時停止、マルチクリックで曲送り・戻しになる。クリック操作のレスポンスはとても機敏だ。楽曲再生中にシャトルスイッチを長押しするとサブメニューが表示され、アプコン再生や3種のデジタルフィルターを切り替えるメニューなどに素速く遷移できる工夫を凝らした。戻るボタンを長押しすればホーム画面に帰る操作も気が効いている。
スマホのタッチ操作に慣れていると最初は戸惑うかもしれないが、次第にコツを覚えてくるとこれほど理にかなったインターフェースは無く、離れづらくなる。本体は160gと軽量なので、片手持ちでの操作も楽々だ。
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