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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第157回】ちゃんと説明できますか? 知っておくべき11のポータブルオーディオ最新トレンド

公開日 2016/05/27 10:00 高橋 敦
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▼3Dプリンター&3Dスキャナー

・タグ|イヤホン ヘッドホン 素材 製造技術 潮流

●ワード概要
3Dプリンターは入力された3Dデジタルデータを元に立体を出力(造形)する機器。3Dスキャナーは逆に立体をスキャニングして3Dデジタルデータに変換して保存する機器。

●トレンド解説
3Dプリンターの方式はいくつもあり、それぞれ特徴がある。液槽内の光硬化型液体樹脂に紫外線レーザーをピンポイント照射して硬化させる「光造形法」は、光学的な3Dスキャンの逆のものとして理解しやすい。溶かした樹脂を下から順に積層させていく「熱溶解積層法」はシンプルでわかりやすい方式で、ポリカーボネイトなど一般的な樹脂素材を扱えるのが大きな利点。「粉末焼結積層造形法」は素材の粉末を敷き詰めたところに高出力レーザーや放電を当てて焼結させるなどの手法で、こちらは金属素材を扱えることが特長だ。

イヤーモニター系ではカスタムにせよユニバーサルにせよ3Dプリンタでのハウジング製造は珍しくはなくなっており、3DスキャナーでのCIME用耳型採取も初期段階にある。また切削では不可能な中空構造や複雑な造形も可能。設計の変更や微調整を即座に実物に出力して確認できること(ラピッドプロトタイピング)や、金型を作る必要がないので少量生産に適していることなど、開発や生産の面での利点も大きい。現状では積層法での積層跡などの課題もありまだまだ完成された技術ではないが、だからこそ今後も要注目だ。

final「LAB II」参考出展機。「3Dプリンターでチタンの金属粉を約20時間かけて成形したあと、できあがったものをさらに人の手で磨き上げて」とのこと…

final「LAB II」の内部。外装だけではなく内部の音響構造においても、「3Dプリンターだからこそ可能になった」という製品が出始めてきている


▼セルロースナノファイバー

・タグ|イヤホン ヘッドホン 素材 潮流

●ワード概要
植物繊維をナノメートルレベルにまでほぐした素材。「鋼鉄の5倍の強度で1/5の重さ」といったことが特徴として謳われている。オンキヨーが試作ヘッドホンの振動板に採用。

●トレンド解説
セルロースナノファイバーは植物繊維をナノメートルレベルにまでほぐした素材。「鋼鉄の5倍の強度で1/5の重さ」といったことが特徴として謳われており、樹脂に配合することで強度向上や軽量化の効果を得ることもできるという。従来のグラスファイバーやカーボンファイバーのより高性能な代替素材になり得るものであり、植物由来なので資源的に環境的にも都合がよい。当然、オーディオにおいての活用も期待される。個人的にはオーディオよりもまず楽器、ギターのナットなどに適していそうだと感じるのだが。

オンキヨーの試作ヘッドホンの振動板は100%セルロースナノファイバー

オンキヨーは各サイズのスピーカー用振動板も試作済み

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