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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第158回】続・ちゃんと説明できますか? 知っておくべきハイレゾDAPまわりの最新トレンド

公開日 2016/06/10 10:30 高橋 敦
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▼Raspberry Pi

・タグ|新規格 潮流 

●ワード概要
小型で非常に安価なシングルボードコンピューター。基板のみの状態での販売となり、どのようなケースや入出力機器、ソフトウェアと組み合わせるかなどはユーザー次第。基板は縦横で言うといまどきのスマートフォンよりも小さいほどのサイズなので、ポータブルオーディオ環境の構築も十分に可能。

●トレンド解説
Raspberry PiはLinuxを動作させられるので、MPDやDLNAといったネットワークオーディオのサーバーにもクライアントにもなれるし、USB端子にUSB-DACを接続してオーディオを出力することもできる。電源もUSB端子からUSB給電を受ける形なので、モバイルバッテリーでの駆動も可能。

といったところを活かせば例えば、「Raspberry Pi+USB接続ポタアン+モバイルバッテリーのシステムをスマホからコントロールするポータブルオーディオシステム」といったようなものが可能なわけだ。

最新最高スペックの「Raspberry Pi 3 Model B」。世代やモデルが違っても当然、フォームファクター(寸法や端子配置等)の互換性は維持されている

もちろんそのようなシステムが「ポータブル」として実用的かとなれば、そこはちょっと…ではあるだろう。しかし現時点での実用性の低さも含めて、言うならば「PC自作」と「オーディオシステム構築」を掛け合わせたような楽しみ方のできる、実に趣味的、趣味としては王道なオーディオ遊びとも言える。

高音質アクセサリーのド定番、クリプトンによる試作ケース

なお本サイトにおいては「海上忍のラズパイ・オーディオ通信」が連載されており、ご興味を持っていただけた方はそちらこそ参照していただければと思う。
 →海上忍のラズパイ・オーディオ通信はこちら


▼Nutube

・タグ|プレーヤー アンプ 製造技術 潮流 

●ワード概要
コルグがノリタケ伊勢電子と共同開発した増幅デバイス。トランジスタやパワーICと同じくアンプ回路に利用できるデバイスだが、このデバイスは真空管ベース。それでいて真空管ではありえなかった小型化と省電力化、長寿命を実現しており、楽器からオーディオまで幅広い展開が期待されている。

●トレンド解説
特にギタリストに顕著であるが、楽器分野での真空管人気は不動のものであり、楽器メーカーとしてのコルグに真空管は不可欠だ。しかし真空管は完全に前世紀の技術であり規格。サイズであるとか発熱であるとか品質のばらつきであるとか、現代的な用途に本来は向かない上に、良質なそれの確保も容易ではない。

そこでコルグは次世代のそれを自ら開発してしまうことにした。現役で活躍している「蛍光表示管」というデバイスが真空管をベースにしていることに着目し、そのオリジネーターであるノリタケ伊勢電子に協力を依頼。ポータブルオーディオで一般的な5V電源でも駆動可能な新世代の真空管を完成させた。

Nutube。両眼のような緑の部分が蛍光表示管由来の部分で、それを制御する部分とまとめて1チップにパッケージングしてあると思われる

ヘッドホンアンプ試作機

現時点では試作機展示の段階だが、幅広い展開が期待される。個人向けの販売(例えば秋葉原のパーツショップでの販売など)も考えているとのことなので、自作系オーディオファンも要注目。ちなみにコルグはエフェクターの名機「Uni-Vibe」を全く異なる技術で新生させたモデルも「Nuvibe」と名付けている。

次ページ前回も触れた4.4mm端子から、USB-C、アップデートについてなど

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