NC+BTで音楽の聴こえ方は変わった?
【レビュー】ボーズ初のワイヤレスノイズキャンセリング・ヘッドホン「QC35」を、QC25ユーザーの筆者が徹底チェック!
■ワイヤレス化したことによる本体の変化は? QC25と比較
シリーズの伝統を受け継ぐ「アコースティック ノイズキャンセリングヘッドホンテクノロジー」が採用された初めてのBluetooth対応ヘッドホン QC35は、サウンドチューニングを独自に練り直している。
ノイズキャンセリングの仕組み自体は、「QuietComfort 15」で採用されたものをベースにしている。イヤーカップの内側と外側に搭載した小型の集音マイクを使い、高精度なハイブリッド方式を基盤としながら、独自アルゴリズムで音楽信号に悪影響を及ぼす騒音だけをきれいに取り除くというものだ。
ワイヤードの「Bose QuietComfort 25 Acoustic Noise Cancelling headphones(QC25)」では、ケーブルのインラインにマイク付きコントローラーを搭載し、iPhoneなどiOS機器やAndroidスマホ/タブレットに接続した際の、リモコンによる小気味よい操作が特徴的だったが、この開発で得たノウハウももちろん引き継いでいる。
QC35ではワイヤレス化にあたり、ハンズフリースタイルでも音楽再生・通話の操作が快適に行えるよう、同社ワイヤレスヘッドホンの知見が投入されている。コントロールボタンは右側のイヤーカップに配置し、接続機器を素早くリモコン操作可能で、なおかつクリアでノイズの少ない音声通話も行える。
また、ボーズのヘッドホン/イヤホンが代々受け継いできた「TriPortテクノロジー」により、リッチな低音再生も楽しめるのも特徴だ。QC35の全体的な音質評価は、このあとQC25との比較も交えながら報告しよう。
■“Comfort(心地よさ)”を実感する装着性。取り回しのよさと耐久性を両立
装着スタイルはQCシリーズ伝統の、イヤーカップが耳全体を包み込むアラウンドイヤーだ。その名前に“Comfort(心地よさ)”を冠するほどなので、快適な装着感は折り紙付き。QC35ではさらに、高級車のシートなどによく使われている人工皮革「アルカンターラ」をヘッドバンドの内側に採用している。
イヤーパッドは、表側に合成皮革のプロテインレザーを使い滑らかな肌触りを持たせた。内部のクッションにも柔らかい素材を使うことで、パッシブでのノイズキャンセリング性能も同時に高めている。
イヤーカップには薄く成形したアルミニウムを、アームやヘッドバンドにはガラス繊維を混ぜ込んだ強化プラスチックをそれぞれ採用している。手に取ると、ある意味「これで強度は大丈夫なのか?」と心配になるほど本体が軽く、ヘッドバンドが柔軟に稼働する。ポータビリティと堅牢性のバランスについては十分に考え抜かれているようで、負荷のかかるヘッドバンドのバネや回転部分にはステンレススチールを採用し、取り回しのよさと耐久性を両立させた。
ボディカラーは単色で揃えたブラックとシルバー。ワンポイントにターコイズブルーがあしらわれていたQC25の印象から少し変えて、QC35ではよりシックでアダルトな雰囲気となっている。右側のイヤーカップに電源スイッチやコントロールボタン、USB端子などをコンパクトにまとめた。イヤーパッドは使い込んで摩耗してきたら、別売のスペアと交換できるようになっている。