B&O PLAYのBluetoothスピーカー「A1」レビュー。新しい音楽の聴き方を見つけさせてくれるモデル
外径寸法は直径が133mm、高さが48mmという同社Bluetoothスピーカーの中でも最小となる。デザインを手がけたのは、現代北欧デザインを代表する女性アーティスト、セシリエ・マンツ。1972年デンマーク生まれの彼女は陶芸家である母親とともに陶器の生産地、有田で幼少時代を過ごした経験もあるという。
そんな彼女の作品には既に同社「Beolit 15」や「A2」で触れられる。また、フリッツ・ハンセンやイッタラなどではチェアや照明、食器のデザインを手がけている。なお、今年2月には日本のインテリアメーカー、アクタスとコラボレーションし、家具シリーズ「moku」を発表した。
本体はパンチングを施したアルミを滑らかな曲線で仕上げたスピーカーグリル部と、電源スイッチやボリューム調整ボタン、Bluetoothペアリングボタンなどを側面に備えた底面部とで構成。それらボタン群は表面に突出しておらず、柔らかな樹脂で覆われ、メカニカルな表情を消し去っている。
ちなみに、先日行われた発表会における彼女のコメントを読むと、アルミと樹脂の部分のつなぎ目は、「海岸の石ころのように滑らか」な質感を目指したとのこと。それはフリッツ・ハンセンから発売されているラウンジチェアMinuscule(ミナスキュール)のベース部分にも用いられた発想と共通するものだ。彼女のデザインポリシーがプロダクトのジャンルを問わず息づいている証拠である。
開発コンセプトは「ソーシャルスピーカー」。小型ワンボディ、質量は600g、無線に対応し、バッテリーは充電式。革製のストラップも付属する。だから、屋内だけでなく、気軽に外に持ち出して、仲間たちと音楽を分かち合える。想定したのはそんなシーンだ。
これをサウンド面で叶えるのが、独自に開発したDSPアルゴリズムによって、音を360度に拡散、聴く場所の自由度を高める「True360オムニディレクショナルサウンド」だ。ドライバーユニットは、強力なネオジウムマグネットを搭載した3.5インチのアルミコーンフルレンジと、3/4インチのシルクドームトゥイーター、各1基による2ウェイ。それぞれを30WのクラスDデジタルアンプで駆動する。
さらに長時間再生(ワイヤレスで最大24時間)も可能。これは2,200mAhの大容量リチウムイオンバッテリーの搭載と、効率的な電力供給を行う「Adaptive Power Management Technology」によってもたらされたものだ。また、内蔵マイクによるハンズフリー通話も可能だ。マイクは360度にわたって均一な感度を確保し、話す場所を限定しない設計としている。