上位機と同等のDAC/ヘッドホンアンプを搭載
【レビュー】ラックスマン「DA-150」を聴く。約10万円だが豪勢な構成のDAC/ヘッドホンアンプ
ラックスマンのUSB-DAC/ヘッドホンアンプ「DA-150」をレビュー。コンパクトな筐体に同社のオーディオ技術を凝縮し、ヘッドホン/デスクトップオーディオのユーザーからも注目を集める本機の性能を岩井喬氏が検証する。
■USB-DACを“ピュアオーディオ”に定着させたラックスマン。その最新モデルを聴く
ネットオーディオ普及の足掛かりとなったハイレゾ対応USB-DACのなかでも、ひとつの分水嶺といえる存在が2010年に発売されたラックスマン「DA-200」(関連ニュース)である。
96kHz/24bit対応という当時の音源事情からすれば十分実用的なスペックを持っていたこと、さらにここが肝心であるが、PCとの接続に対して抵抗があるピュアオーディオ層に向けて老舗ブランドであるラックスマンが参入したことによる訴求効果は高く、USB-DACそのものが本格的なオーディオコンポーネントへの仲間入りを果たすほとつの端緒となった。
そしてこの翌年、オーディオ入門層やヘッドホンリスナーに向けてA5サイズのコンパクトなデスクトップ機として提案されたのがDA-200の弟機、「DA-100」(関連ニュース)である。ラックスマンという歴史ある高級ブランドに憧れを持ちながらも、なかなか手にできなかったというオーディオファンに対しても非常に魅力的なプライスで登場し、5年もの間継続的な人気を獲得したのだ。
この5年の間の大きな変化としては、DSDや192kHz/24bitクラスのハイレゾ音源が本格的に流通してきたことである。対応レゾリューションの高さがすべてを決めるというわけではないが、96kHz/24bit対応のDA-100やDA-200はフォーマットへの対応性という点では一つ前の世代であることは否めない。
そうした点を踏まえ、時代が求める機能やサウンド性を再考しデスクトップで最高のサウンドを楽しめるユーザーライクなUSB-DACとして設計されたのがラックスマンの新たなコンパクトUSB-DAC「DA-150」なのである。
■プリ機能を省略して小型/低価格化。DACやヘッドホンアンプは上位機を継承
DA-150はDA-100の後継機でありつつ、その上位機種DA-200の後継機である「DA-250」(関連ニュース)のスペックを凝縮させた、エントリー機の枠に収まらない豪勢な構成が特長だ。
DA-250は単品DACとしての機能に加え、加えデジタルセンターといえるプリ機能やヘッドホンアンプなど総合的なUSB-DACといった仕様を持つ。一方でDA-150は、DA-250からプリ機能を省き、単品DAC及びハイインピーダンス対応のヘッドホンアンプとしての機能性に特化させている。
DACチップはDA-250と同じTI製「PCM1795」を積み、最高で192kHz/32bit PCMおよび5.6MHz DSD対応のUSB入力を装備。低ジッターを実現する高精度な低位相雑音クロックも44.1kHz系と48kHz系を別々に搭載している。
さらにDA-100ユーザーの多くが旧世代のCDプレーヤーにおけるDAC部更新のために活用していたという192kHz/24bit対応の光・同軸デジタル入力(各1系統)も引き続き搭載する。これらS/PDIFデジタル入力についてはDAIR(Digital Audio Interface Receiver)チップ、TI製「PCM9211」を用いた高精度PLLによってクロックを整えジッターを低減している。
加えてフィルターについては、PCM系が32bitデジタルフィルター2種(DACチップ内部で352.8kHz及び384kHz/32bitにアップコンバート)、DSD系がアナログFIRフィルター2種から好みの音質を選択可能だ。アナログ出力に関してはレベル固定のRCAアンバランスが1系統、そして前面パネルのヘッドホン出力を装備する。
■独自の電子制御アッテネーター LECUAを採用したヘッドホンアンプ部
そして本機最大のポイントといえるのが、DA-250と同等のディスクリートバッファー構成を取り入れたヘッドホンアンプ回路だ。小音量時の左右レベル偏差を排除した音量調整機構である電子制御アッテネーター「LECUA」も継承している。ライン出力はレベル固定となるため、このLECUAはヘッドホンアンプだけに用いられるというリッチな仕様も見逃せない。
電源部はコンパクト機ながらもACアダプターやスイッチング方式を用いず、オリジナル仕様の電源トランスを用いたリニア方式を採用。各回路独立のレギュレーターおよび大容量ブロックコンデンサーを用いる独自のハイイナーシャ(高慣性)電源環境を取り入れ、伸び良く安定したサウンド再生の助けとしている。またDA-100では背面側に設けられていた電源スイッチはフロントパネル側へ移され、使い勝手が向上した。
■USB-DACを“ピュアオーディオ”に定着させたラックスマン。その最新モデルを聴く
ネットオーディオ普及の足掛かりとなったハイレゾ対応USB-DACのなかでも、ひとつの分水嶺といえる存在が2010年に発売されたラックスマン「DA-200」(関連ニュース)である。
96kHz/24bit対応という当時の音源事情からすれば十分実用的なスペックを持っていたこと、さらにここが肝心であるが、PCとの接続に対して抵抗があるピュアオーディオ層に向けて老舗ブランドであるラックスマンが参入したことによる訴求効果は高く、USB-DACそのものが本格的なオーディオコンポーネントへの仲間入りを果たすほとつの端緒となった。
そしてこの翌年、オーディオ入門層やヘッドホンリスナーに向けてA5サイズのコンパクトなデスクトップ機として提案されたのがDA-200の弟機、「DA-100」(関連ニュース)である。ラックスマンという歴史ある高級ブランドに憧れを持ちながらも、なかなか手にできなかったというオーディオファンに対しても非常に魅力的なプライスで登場し、5年もの間継続的な人気を獲得したのだ。
この5年の間の大きな変化としては、DSDや192kHz/24bitクラスのハイレゾ音源が本格的に流通してきたことである。対応レゾリューションの高さがすべてを決めるというわけではないが、96kHz/24bit対応のDA-100やDA-200はフォーマットへの対応性という点では一つ前の世代であることは否めない。
そうした点を踏まえ、時代が求める機能やサウンド性を再考しデスクトップで最高のサウンドを楽しめるユーザーライクなUSB-DACとして設計されたのがラックスマンの新たなコンパクトUSB-DAC「DA-150」なのである。
■プリ機能を省略して小型/低価格化。DACやヘッドホンアンプは上位機を継承
DA-150はDA-100の後継機でありつつ、その上位機種DA-200の後継機である「DA-250」(関連ニュース)のスペックを凝縮させた、エントリー機の枠に収まらない豪勢な構成が特長だ。
DA-250は単品DACとしての機能に加え、加えデジタルセンターといえるプリ機能やヘッドホンアンプなど総合的なUSB-DACといった仕様を持つ。一方でDA-150は、DA-250からプリ機能を省き、単品DAC及びハイインピーダンス対応のヘッドホンアンプとしての機能性に特化させている。
DACチップはDA-250と同じTI製「PCM1795」を積み、最高で192kHz/32bit PCMおよび5.6MHz DSD対応のUSB入力を装備。低ジッターを実現する高精度な低位相雑音クロックも44.1kHz系と48kHz系を別々に搭載している。
さらにDA-100ユーザーの多くが旧世代のCDプレーヤーにおけるDAC部更新のために活用していたという192kHz/24bit対応の光・同軸デジタル入力(各1系統)も引き続き搭載する。これらS/PDIFデジタル入力についてはDAIR(Digital Audio Interface Receiver)チップ、TI製「PCM9211」を用いた高精度PLLによってクロックを整えジッターを低減している。
加えてフィルターについては、PCM系が32bitデジタルフィルター2種(DACチップ内部で352.8kHz及び384kHz/32bitにアップコンバート)、DSD系がアナログFIRフィルター2種から好みの音質を選択可能だ。アナログ出力に関してはレベル固定のRCAアンバランスが1系統、そして前面パネルのヘッドホン出力を装備する。
■独自の電子制御アッテネーター LECUAを採用したヘッドホンアンプ部
そして本機最大のポイントといえるのが、DA-250と同等のディスクリートバッファー構成を取り入れたヘッドホンアンプ回路だ。小音量時の左右レベル偏差を排除した音量調整機構である電子制御アッテネーター「LECUA」も継承している。ライン出力はレベル固定となるため、このLECUAはヘッドホンアンプだけに用いられるというリッチな仕様も見逃せない。
電源部はコンパクト機ながらもACアダプターやスイッチング方式を用いず、オリジナル仕様の電源トランスを用いたリニア方式を採用。各回路独立のレギュレーターおよび大容量ブロックコンデンサーを用いる独自のハイイナーシャ(高慣性)電源環境を取り入れ、伸び良く安定したサウンド再生の助けとしている。またDA-100では背面側に設けられていた電源スイッチはフロントパネル側へ移され、使い勝手が向上した。