連載:折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト
新機能も追加、ソニーの電子ペーパー学習リモコン「HUIS」をAVファン目線で使いこなす
「HUIS UI CREATOR」の使い方は、PCと「HUIS REMOTE CONTROLLER」をUSBケーブルで直結して、リモコン本体内のデータをカスタマイズするというもの。なお、リモコン本体に新たな機器の登録をするなどの操作はアプリでは行えず、そちらは従来通りリモコン本体を使うことになる。アプリはUIのカスタマイズのためという位置づけだ。
僕は従来から「HUIS REMOTE CONTROLLER」のユーザーでもあるのだが、その立場から少々不満だった点が、例えばTVのリモコンのようにボタン数が多い機器では、HUIS側での表示が2ページに渡って画面の切替が生じるため、操作がワンテンポ遅れること。
従来は、ボタン配置のカスタマイズは上中下段とおおまかな範囲でしか行えず、そのボタンも公式に用意されたものから選ぶしかなかった。そのため、「このボタンの横の空きスペースに別のボタンも配置できれば…」と思うことも多かった。
そこでさっそく「HUIS UI CREATOR」を使い、16×28のグリッドに、自分の頻繁に使うボタンが全部入った専用リモコンをカスタマイズ。本アプリを使えば、ボタンアイコンのサイズ変更も自由自在だ。HUIS側からボタンを呼び出しダブルクリックで登録し、リサイズして必要に応じて文字ラベルを打ち込んでいく。
なお、注意点としてリモコン側に温度表示が必要なエアコン、そして「HUIS BLUETOOTH CRADLE」経由の接続となるPS4等のBluetooth機器の追加は現時点では対応していない。
「HUIS UI CREATOR」の登場でHUISに絶大な表現力を与えてくれるのが、JPG、PNG方式画像読み込みへの対応だ。
HUISの画面はモノクロ16階調だがファイル自体はカラー画像でも読み込みが可能。ページレイアウトの背景、ボタン画像として指定することができる。これは実物を手に取るとモノクロ画面であっても画像を表示すると、今までのボタン面が電子ペーパーという以上に、モノとしての面白みが出てくる。
リモコン画面に画像を扱えるとなれば後は創意工夫か、イラストが得意なら絵心の世界だが、ひとまず実用性を考えて画面のデザインを考えてみた。
僕がリモコン操作とは別の次元で頭を悩ませていたのがAVアンプで、複数あるHDMI端子の接続先の機器をよく忘れてしまうこと。そこで、「HUIS UI CREATOR」を利用して、確実に間違えず入力を選べるリモコンをデザインしてみた。
作り方は簡単。接続する機器の写真を公式サイトなどから用意し、「HUIS UI CREATOR」を利用して貼り込んで保存するだけだ。機器の入れ替えがあっても数分で画像も入れ替え可能だ。
こうしたデザイン機能だけでも相当遊べそうな「HUIS UI CREATOR」。自分の作ったカスタマイズデータを公開したり、誰かの作ったデータを自分のHUISに入れて使ったりといったこともできると面白そうだ。
ただ、現時点ではあくまで自分専用カスタマイズ機能の位置づけ。個々人でリモコン信号を登録している機器が異なることもあり、単純にアップロードしてデザインを交換というのは難しいが、既にHUISユーザーの間ではSNSを通じてお互いのリモコン画面を見せ合うような動きも始まっている。
機能性を増し、リモコンを一つにまとめるだけの段階から“自分専用のリモコン作り”へと一歩を踏み出した「HUIS REMOTE CONTROLLER」。これからどんな方向に進化していくかのか楽しみに見守りたいデバイスだ。