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折原一也が開発陣を直撃

【レビュー】革新的バックライト搭載、ソニーの “マスター” テレビ。 BRAVIA「Z9D」を見た

公開日 2016/08/30 15:00 折原一也
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■「独立制御の高密度LED」と「光学制御」による作りこみ

「Z9D」の高画質の真髄である 「Backlight Master Drive」のポイントは、CES記事でもお伝えした通り「独立制御の高密度LED」と「光学制御」にある。

「光学制御」では、LED光源にレンズを設けてフレアを抑えるとともに、色純度を上げる設計がなされている。各要素技術はこれまでにも存在したものだが、それらを改めてテレビセットとして1つにまとめ上げている。

100インチのZ9Dの横に立つ折原氏。100インチは700万円と高価だが、75インチ/65インチは100万円以下となっている

Z9Dは、LEDを高密度に実装し、それぞれを独立して制御している。「高輝度なLED自体は車のヘッドライト等で存在しているが、それを制御するドライバーや光学的な技術が難しい。また高密度になると放熱も課題になる」(小倉氏)。CESでも語られていた通り、圧倒的な高輝度を実現しながら、同一サイズのソニー製テレビと同等の消費電力という、家庭用テレビに求められる省エネ基準も満たしている。

誤解のないよう記しておくが、「Z9D」は明るさの数値を公表していない。「画質の良し悪しを数字で語られないようにするため、ポリシーを持ってスペックを公表しない」(小倉氏)とのこと。

明るさの4000nitという数字はあくまでCESのデモ機のスペックで、「Z9D」の輝度スペックは非公開だ。

輝度スペックは不明だが、「Z9D」で観た映像のうち、CESでもデモ上映されていた映画「アニー」の例を挙げよう。ヘリコプターでニューヨークの上空を映したシーンを見ると、夕日を浴びて黄金に輝く街の様子は、CESの会場で観たあの表現力を彷彿とさせる。SDR映像ではただ夕日の街と見えるシーンなのだが、Z9DのHDRでは、いわゆる「ゴールデンタイム」という言葉通りに、金色に街や空が輝く。輝度は非公表であるものの、Ultra HD Premiumの基準である1000nitより数段上なのは明らかだ。

同様に搭載されたLEDの数も公表されていないが、「人間の視覚特性を考慮した場合、画素1つ1つにバックライトを備えた場合とさほど遜色ない数」を搭載しているという。高密度なLEDを独立して制御することで、自発光型デバイスに近い細かな輝度制御と、有機ELなどではいまのところ不可能な高輝度を両立しているのが特徴だ。

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