【特別企画】話題の最新機種をまるごと使い倒す
【レビュー】編集長・風間がボーズのノイズキャンセリング+Bluetoothヘッドホン「QC35」と過ごした1ヶ月
■通勤時にQC35を使用。電車内のノイズがピタッと止まる
さて、ここからはいよいよ、様々なシチュエーションで本機を試した感想を紹介していく。
まずは通勤時の使用から。ノイズキャンセリングヘッドホンは、飛行機内はもちろんだが、通勤・通学時に使用するという方も多いはず。満員電車の混雑も、騒音が軽減すればストレスも抑えられそうだ。
ここで特筆したいのはデザインだ。スーツを着ているサラリーマンの方なら、あまり派手なデザインだとヘッドホンが浮いてしまって似合わない。
本機はシックなデザインで、スーツスタイルにもすんなりとはまる。かといってマジメすぎないデザインなので、筆者のようにTシャツがメインのラフな服装でも違和感なく使えるのが嬉しい。このあたりのバランス感覚もさすがだ。
さて、電車内で本機の電源をオンにすると、周囲のゴーッという騒音が文字通りピタッと止まる。周囲の声もかなり抑制される。逆説的だが、ノイズキャンセリングをオンにすることで「今までいかにうるさい環境にいたか」ということに気づかされるのだ。
ノイズキャンセリング効果が高いとはいっても、すべての音を消してしまうわけではない。たとえば車内アナウンスなどはそれほどマスクされず、音楽を聴きながらでも注意すれば聞き取れる。この「消しすぎない」というのは、QC35のあまり語られていない美点ではないかと思える。
もっとも、大音量で音楽を聴いていると、車内アナウンスの音量は相対的に小さくなってしまう。本機はノイズキャンセリングをON/OFFしたり、効果を調整する機能がないので、その点を不安に思う方もいるかもしれない。
何日も使っているうちにたどり着いた対処法は、非常にアナログではあるが、最も確実な方法だ。片側のイヤーカップを耳から離し、周りの音を聴けばよいのだ。特に慣れない路線に乗ったときなど、電車が減速し始めたらイヤーカップを離すようにすれば、駅名のアナウンスが確実に聞き取れて、乗り過ごすことなどがなくなるだろう。ボタン操作で外音を拾う製品もあるが、この方法ならボタンの押し間違えによるストレスもない。
バッテリー持続時間にも触れておこう。本機の連続使用時間は約20時間だが、体感的にはもっと長く感じる。前述したとおり電源を入れるとバッテリーの残量が声で案内されるのだが、1〜2時間使っているはずなに100%のまま、ということが何回もあった。壊れているのかと思ってもう少し使い続けたら95%とアナウンスされ、逆に安心したほどだ。また、使用せずに1週間程度放っておいたことがあったのだが、残量が全く減っておらず、これにも驚かされた。
QC25では電源が乾電池だったが、本機は充電式バッテリーになって、電池切れを心配する方もいると思うが、これだけ持てばあまり心配はなさそうだ。モバイルバッテリーからのUSB充電も行えるので、これらを用意しておけばさらに安心だろう。