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【特別企画】ハイレゾやCD再生の音質もチェック

Cocktail Audioのミュージックサーバー「CA-X40」で体感する“オールインワン”の魅力

公開日 2016/10/11 10:27 山之内正
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リッピングのクオリティを「エクセレント」に設定した場合、CD1枚を約9分で読み込み、ライブラリに自動的に追加された。CDの読み込みからここまでの操作の流れはスムーズで、使いやすいと感じた。本体の液晶パネルは大型のスマホ並みのサイズなので、試聴位置からでも画面を見ながらリモコンで操作できる。リモコン主体で使いこなせることも本機のアドバンテージだ。

リッピング時にはWAVやFLACなどフォーマットが選択できる

リッピング中の画面

リッピングした音源を内蔵ストレージから再生した音は、レスポンスの良い低音に支えられた抜けの良いサウンドというのが第一印象。一音一音の密度が高く、高音が硬くなったり、低音が薄味になることがない。内蔵ストレージからネットワークを介さず、そのまま再生していることが効いているのか、ダイレクト感と力強さを印象付けるサウンドに好感を持った。

ヴォーカルやソロ楽器の音像はフォーカスが正確に定まり、ブレのない安定したイメージが浮かぶ。他の楽器との位置関係など、立体的な描写力にも不満はない。盤の状態にもよるが、CDを直接再生するよりも付帯音や強調感が少なく、見通しが良く感じる例もあり、データ再生のメリットを実感することができた。

ネットワーク再生も多様なフォーマットに対応。鮮度・透明感の高いサウンドが魅力

同じネットワーク上のNASは、「Browser」メニューから「DLNA」→「Storage」とたどることでアルバムや曲の一覧を呼び出すことができる。DSDは最大11.2MHz、PCMは最大384kHz/32bitと上限に余裕があり、ファイル形式のサポートは行き届いているし、もちろんギャップレス再生にも対応している。

試聴室にセッティングしたCA-X40。まずはCDリッピングやハイレゾの音質をチェックした

内蔵ストレージはもちろんのこと、外部のNASからの選曲でも操作のレスポンスは良好で、液晶パネルに表示されるジャケット画像の切替えもスムーズ。ネットワーク再生は本機の核となる機能だけに特に使い勝手が良く、規模の大きなライブラリを読み込んでもストレスなく使いこなせそうだ。

ネットワーク再生の音は音場空間を遠くまで見通せる透明感の高さが聴きどころで、余分な強調や演出を抑えた素直な音調にまとめている。リッピング音源と同じように低音の反応が速く、テンポがもたれることがないのは本機の良いところで、特にアップテンポの曲で演奏が前向きに動いていく感触が心地良い。

ネットワーク上のNASを選択したところ。ネットワークプレーヤーとしても活用できる

内蔵ストレージと外部のNASの間で音調の大きな違いはなく、どちらも鮮度の高い再生音を楽しむことができるが、ストレージにHDDを使うか、SSDを選ぶかによっても微妙に音質は変わる。今回、透明感の高い音場を引き出すことができたのは、外部のNASにSSDを組み合わせたためかもしれない。

レコードのアーカイブを試す

次に、CA-X40の大きな特徴であるレコードのリッピングを試してみよう。手順はとてもシンプルだ。フォノ入力にプレーヤーの出力信号をつないで同入力を選び、レコードに針を落とした直後に録音ボタンを押す。録音中は本体ディスプレイにピークメーターが表示され、ファイルサイズも確認できる。片面の再生が終わったら録音を停止すれば、自動的にPCMのファイルが作成され、リッピングは完了。データは「MyRecording」フォルダに入る。

レコードからの入力を録音している画面

録音の開始と停止のタイミングは完全に手動なので、ファイルに余分な無音部分が入ってしまうことがあるが、後で分割や削除ができるので、あまり細かいことを気にする必要はない。数枚のレコードをリッピングすれば、簡単にコツをつかめるはずだ。

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