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バランス出力にも対応

“パイオニア流サウンド”を鳴らす新DAP「XDP-300R」レビュー

公開日 2016/10/13 10:20 折原一也
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DP-X1とはひと味違うパイオニア流のサウンド

ベースとなるDAPの機能面は、出荷時点から第1世代機発売以来のアップデートをすべて組み込んだ集大成となる。e-onkyo musicのダイレクトダウンロード購入にももちろん対応。内蔵ストレージは32GBで、サイドにはデュアルmicroSDスロットを搭載しストレージを増やすこともできる。


デュアルmicroSDスロットを新たに搭載
対応フォーマットは、11.2MHzまでのDSD音源、384kHz/24bitまでのWAV/FLAC/AIFF、そしてe-onkyo music等で配信のスタートした「MQA」フォーマットの再生も出荷時から対応している。

音楽プレーヤーの使い勝手としては、ユーザーの声が多数取り込まれているだけに完成度は十分高い。Androidホームからすぐにアクセスできる音楽再生アプリは通常の曲、アーティスト、アルバムによる再生の他に「フォルダ階層」による再生もでき、内蔵メモリーや2基のmicroSDに頻繁に曲をコピーしても、すぐにアクセスできる。

新機能として、PCと連携する楽曲転送アプリ「X-DAP Link」のMac版が登場したことや「Bluetoothテザリング」対応、またストリーミングサービスとの連携機能も強化している。

まずはオンキヨー第1世代機「DP-X1」との音質比較

さて、XDP-300Rをレビューするにあたってやはり気になるのは、音質のクオリティだろう。特に気になるのは、2.5mmのバランス対応をしたことでスペック面で近い仕様となったDP-X1との音質差だ。

今回はまず、新機種のXDP-300RとオンキヨーのDP-X1をパイオニアのヘッドホン「SE-MHR5」を用いてアンバランス接続、そして気になるバランス接続のクオリティも含め聴き比べた。

アンバランス/バランス接続でスペックの近くなったDP-X1と比較試聴

アンバランス接続から比較してみると、XDP-300RとDP-X1は言うまでもなく、全く違う音だ。別々のサウンドエンジニアが担当しており、パイオニアはダイナミックな音の立ち上がりを志向しているのに対して、DP-X1は音場感と質感重視のベクトルといったところ。SE-MHR5をバランス接続で聴いても、XDR-300Rは音の立ち上がりのスピード感とドライブの良さ、DP-X1は空間再現に強みがあり、同じ回路をベースにしているとは思えないほどの味付けの違いがあった。

同じくSE-MHR5で、パイオニア第1世代モデルのXDP-100Rも合わせて聴き比べてみると、XDP-300Rはアンバランス接続、バランス接続共に音の発展性を感じ取れる。サウンドチューニングについては、XDP-100Rを音のS/Nを引き上げて成熟感を増したというのが正しい解釈だろう。

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