ロッキーマウンテンオーディオフェスで併催
ヘッドフォン祭に向けた予習に! 新製品多数登場の「CanJam@RMAF 2016」レポート
■SONOMA Acoustics
今回静電型ヘッドホンの新製品「Model One」(5,000ドル)を参考出展していた同社は、元々SACD開発時の標準原器だったDigital Audio Workstation「SONOMA」の開発に携わったチームが、真にハイレゾ音源の再生にふさわしい再生環境をユーザーに提供するためまずはヘッドホンの開発をスタートした新興企業だ。
同社のヘッドホンはWarwick Audio Technologies社から技術供与を受けており、USB-DACを内蔵する専用のドライバーアンプとセットでの販売を前提としている。
ヘッドホンの振動板は「High-Precision Electrostatic Laminate(HPEL)」と呼ばれる特許技術により構成されており、60kHz以上の再生帯域を確保するほか、軽量性、安定性に優れるという。
専用のドライバーアンプはA級動作のアナログ増幅部と382kHz/32bitまでのPCMおよびDSD128までのDSDに対応するUSB-DAC部で構成される。DACにはESS Technology社のDACを採用し、チャンネル当たり1枚使用しているという。また、アナログ入力はAKMのADCチップを経由して384kHz/32bitでサンプリングされる。全ての入力信号はDAW開発で培った64bit処理のDSPを経由してDACに送ることで、従来のデジタル信号処理を上回る性能を獲得しているという。同社はヘッドフォン祭でも自社ブースにて展示を行うとのことなので、静電型ヘッドホンのファンは注目だろう。
〈ヘッドフォン祭でのブース/ソノマ:14Fクレセント(16)〉
■SONY
同社ブースは既に日本では発表済みの新Walkman「NW-WM1Z」(3,200ドル)のほか、ヘッドホン「MDR-Z1R」(2300ドル)、据え置き型ヘッドホンアンプ「TA-ZH1ES」(2200ドル)を展示。これらはアメリカでは初めての展示となった機種も多く、多くの参加者が試聴に訪れていた。
「NW-WM1Z」はフルデジタルアンプ「S-Master HX」を搭載したデジタルオーディオプレーヤーで、384kHz/32bitまでのPCM、11.2MHzまでのDSDの再生に対応するほか、4.4mm5極バランス接続端子や金メッキを施した無酸素銅切削筐体を採用している。
また、「MDR-Z1R」は70mm口径のマグネシウムドーム振動板を搭載するほか、特徴的な形状の「レゾナンスフリーハウジング」を採用している。同ハウジングは適度に空気を透過させることで、密閉型でありながら開放型のような自然な空気の移動を実現し、共鳴を抑制する技術とのことだ。
「TA-ZH1ES」は768kHz/32bitまでのPCM、22.4MHzまでのDSDの再生に対応するUSB-DACを内蔵するヘッドホンアンプで、同じく4.4mm5極バランス接続端子を採用している。またアンプ部は「S-Master HX」を搭載したうえでアナログ回路を用いた信号補正処理を行う「D.A.ハイブリッドアンプ」方式を採用したという。
<ソニーマーケティングブース:6F(1)[ウィンド]>
■ULTRASONE
同社はヘッドホンの新製品「Jubilee 25 Edition」(2017年11月発売予定、5,999ドル)を展示。同社25周年記念のプロダクトとのことで250台の限定生産とのことだ。
40mm口径のダイナミック・ドライバーを搭載しチタン製のプレートに固定している。ハウジングのサイドパネルにはマカッサル・エボニー材を使用し、イヤーパッドにはエチオピアン・シープ・レザーを使用しているという。また、コネクタにはLemoコネクタを採用し、ケーブルの着脱に対応する。銀メッキ・ツイストペア・OFCコードが付属しており、ケーブルの変更によるバランス駆動も可能とのことだ。本製品はヘッドフォン祭でも試聴できるようにしたいとのことなので、ULTRASONEのファンは注目だろう。
〈ヘッドフォン祭でのブース/ULTRASONE/CHORD:6F(3)[フラワー]〉