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歴史に名を刻む銘機が登場

AKGのDSP内蔵ヘッドホン「N90Q」レビュー。NC/音場補正/USB接続の実力をチェック!

公開日 2016/10/28 10:00 山本 敦
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どんな場所でも最適なサウンドを楽しめる機能を搭載

最初に挙げるのは高精度なアクティブ・ノイズキャンセリング機能だ。AKGのNシリーズからは、先行してオンイヤースタイルのノイズキャンセリングヘッドホン「N60NC」が発売されている。上位機であるN90Qはゆったりと耳を覆うアラウンドイヤースタイルであるうえ、さらにオーディオグレードを意識した高い消音効果を実現している。

そのノイズキャンセリング機能と連動するN90Q最大のハイライトが「オートキャリブレーション機能」だ。ヘッドホンを身に着けた状態で、一人ひとりのユーザーによって異なる耳のかたちや、耳とドライバーとの距離を自動で測定して、イヤーカップ内部の音響をベストコンディションに整えるという画期的な技術を採用する。右イヤーカップの側面に搭載する自動音場補正の起動ボタンを5秒間長押しすると、「ピー」っというスウィープトーンが鳴り、わずか数秒のうちに測定が完了する。N90Qで音楽を聴く前に毎度走らせれば、いつも最高のサウンドが楽しめるというわけだ。

本機を装着してボタンを押すだけで、最適な音場に補正してくれるオートキャリブレーション機能を備えている

三つめのハイライトは低音のバランス調整機能だ。N90Qは正円形のイヤーカップの周囲にリング状のロータリーコントローラーを配置している。右側が音楽のボリューム調整、左側が低音のバランス調整のためにそれぞれ設けられている。ダイアルを時計の方向に回すと、中高域のサウンドに影響を与えることなく、低域のバランスだけを増減しながら整えられる。パラメーターは3段階で変更でき、切り替わるたびにビープ音を鳴らして知らせてくれる。聴きたい音楽のジャンルやリスニングシーンなどに合わせて、よりインパクトのある低域を得たい時に使い勝手のよい機能だ。

左右のハウジングにはリングコントローラーを備え、ボリュームや低音のバランス調整が行える

独自開発のDSPによる3種類のサウンドモードも見逃せないN90Qのハイライトだ。音場は「スタンダード」「スタジオ」「サラウンド」の順にサウンドステージが広くなる。音楽だけでなく、動画やゲームなど様々なコンテンツを最も心地よい音場感にアレンジして楽しめるユニークな機能もぜひ使いこなしたい。

そして最後に挙げるN90Qの5つめのハイライトが、USBオーディオ再生に対応したことだ。ヘッドホン本体には最大96kHz/24bit対応のDACチップが内蔵されている。パッケージに同梱されているUSBケーブルを使ってPCにつなげば、ハイレゾ音源もヘッドホン単体でデコードしながら上質なデスクトップ音楽再生が楽しめる。N90Qに搭載するドライバーが再生できる周波数帯域は10Hzから25kHzまでになるが、スペックを超えたクリアで滑らかなDAC経由の上質なサウンドには大いに耳を傾ける価値がある。

N90Qはリケーブルに対応しているヘッドホンだが、パッケージには3種類のケーブルが贅沢に付属してくる。いずれもヘッドホン側は2.5mmのプラグとなる、3mのホームリスニング用ストレートケーブルのほか、1.2mのiOS/Android対応のリモコン付きケーブルが1本ずつという内容だ。ハードケースはヘッドホンの充電ステーションにもなっているので、リスニングが終わったらケースの中でUSBケーブルにつないでスマートに充電ができる。

標準ケーブルに加え、iOS/Android端末用リモコンの付いたケーブルも付属。そのほか航空機プラグなど多彩な同梱品が用意されている


それではN90Qのサウンドを聴いてみよう。今回プレーヤーのリファレンスにはコウォンの「PLENUE S」を使っている。

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