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USB-DACの能力もチェック

ヘッドホンアンプ刷新で駆動力を大幅強化。最新DDFA搭載のデノン「DA-310USB」レビュー

公開日 2016/11/29 10:23 高橋 敦
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デザインも刷新。音質対策もさらに強化した

このようにヘッドホンアンプ部は完全刷新、というかもはや別物になっているが、その他の部分は好評の前モデルから順当に受け継ぐ要素が多い。

デジタル入力端子周りには、音声データに紛れて混入するノイズを排除する「デジタル・アイソレーション回路」を搭載。電源はデジタル回路用とアナログ回路用それぞれに別々のレギュレーターから供給し、相互の干渉を回避。マスタークロックのおおもとを発生する水晶発振器は44.1kHz系と48kHz系のデュアル構成。さらにクロック回路からDACチップまでの距離を最短化することでジッターを低減する。

背面端子部

筐体は丸みを帯びていた先代に対して、シュッとした新デザインに変更。横置き時の高さ方向のサイズは増したが、横置き縦置き両対応は変わらない。縦置きはデスクトップでの省スペース設置には特に有効だ。インシュレーターはねじ式で取り付け面を変更でき、横置き縦置きに合わせてディスプレイの表示も自動で切り替わる。

縦置きにも対応する

鮮度感あるサウンドを高い制動力で描き出す

音質チェックは、今回はやはりヘッドホンアンプの刷新が主眼ということで、そちらを重点的に行った。

まずは聴き慣れているSHURE「SRH1840」から。極端に駆動しにくいヘッドホンではないが、ハイエンド機なので、その力を十分に引き出すにはやはりアンプの力は必要だ。参考までにDA-310USBのゲイン設定は3段階中のうち「Mid」、ボリュームは2/5あたりの位置で、筆者の試聴には十分な音量を得られた。


まずはSHURE「SRH1840」と組みあわせて試聴
このヘッドホンらしい音調に重ねて印象的なのは、そのさっぱりとした空間と豊かな粒子感だ。相反する要素と感じた方もいるかもしれないが、空間そのものというか、空間の下地はさっぱりと綺麗で、だからこそ音色や響きの細かな成分の豊かさが際立つ、といった様子を想像してもらえればと思う。

また中低域のキレのよさもSRH1840らしく際立ち、そこで音がだぶつかないこともさっぱりとした印象につながっているようだ。

相対性理論「たまたまニュータウン (2DK session)」冒頭のバスドラムは、しっかりとした胴の鳴りがありつつ抜けもキレもよく、音の本体がしっかりキレていることで音の響きが見えやすい。そしてその響きが空間に広がっていく様子がよく見える。空間の広がり自体が「広い」というよりも空間を「広く使う」ことが巧い。そんな描写だ。ドラムス全体やベースも含めたリズムセクションとしてもタイトで明快な音像、リズム感がポイントだ。


ゲイン切り替えは本体パネルのタッチセンサーから行える
そしてglobe「DEPARTURES(Remode 2 Ver.)」とは特に相性がよいと感じられた。この曲のややドライなドラムスとベース、音程は低いのだが音色は軽やかというような部分を、このヘッドホンアンプとヘッドホンの組み合わせは見事に生かしてくれる。膨らんだ音像でのだらーんと間延びしたリズム感にさせない。なるほど「制動力に自信あり」と言うだけのことはある。

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