【レビュー】アップルの完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」を自腹購入。その実力とは？

AirPods対応・落下防止アクセサリーも試してみた

リモコン操作が不便な点を除けば、本体は軽くてコンパクトだし、デザインはスマートで完成度の高い完全ワイヤレスイヤホンと言える。専用ケースにイヤホンを収納するときにマグネットが重なって“カチッ”と鳴るギミックにも萌える。

デザインは「チンアナゴ」「白いナメタケ」と揶揄する声も聞こえるが、筆者は想像していたより、実物はずっと“普通”と感じた。大柄なボディのワイヤレスイヤホンに比べればよっぽどクールに身に着けられるイヤホンだと思う。むしろEarPodsとデザインがあまり変わり映えしないことの方が不満で、せめてカラバリ展開などは検討して欲しい。

さて、最後に現在完全ワイヤレスイヤホンが共通の課題として抱える、「完全にケーブルレスなので、落として壊したり、なくしたりしやすい件」についての解決を試みたいと思う。他社の完全ワイヤレスイヤホンと比べたAirPodsの圧倒的な強みは「アップルの製品」であることだ。iPhoneやMacと同様、これからサードパーティ製のアクセサリーが数多く発売される期待がある。

AirPodsの落下防止をサポートすべく、シュピゲンからは「AirPods Strap」という左右のイヤホンをつなぐケーブルが発売されている。公式オンラインサイトでの販売価格は税込で2,290円だ。A-Focusというメーカーからは、EarPodsに被せて使えるスタビライザー付きのシリコンイヤーピースがアマゾンで700円ぐらいで売っていたので、今回はふたつの製品を入手してAirPodsを強化してみた。

AirPods Strapは、イヤホンのエンドグリップをストラップのクリップにぐっとねじ込んで装着するアクセサリーだ。素材はシリコン製で、AirPodsの色にもしっかりとマッチしている。クリップも強固に固定される。ストラップの長さは約56cm。装着すると、そのルックスはまるで「ワイヤレス仕様のEarPods」のように見える。AirPodsを両耳から外して音楽再生を小休止したい時も、イヤホンを首にかけておけるので便利だ。

A-Focusのシリコンイヤーピースは、スタビライザー付きのものが透明とブラックの2色、スタビライザーなしのピースはダークグレーと透明の2色が同梱されていた。いずれもAirPodsのハウジングにぴたりと合うように設計されていて、内側のベンチレーションホールが塞がれないように孔も空いている。スタビライザー付きのイヤーピースを使ってみたところ、外耳の窪みにしっかりとはまって安定した装着感が得られた。これだけでも裸の状態よりも格段に装着感は安定する。

ふたつのアイテムは、ともにAirPodsの落下防止に高い効果を示してくれた。ただ、悩ましいのはAirPodsのイヤホンを充電するためには、必ず専用ケースに出し入れしなければならないこと。そのたびにストラップやイヤーピースを着脱しなければならないので、これがまた別の煩わしさになってしまう。着脱が素速くでき、AirPodsと一緒に携帯しやすいアップル純正の落下防止アイテムの登場に期待したい。


AirPodsを片方だけなくしたら買い直せるのか？

AirPodsのイヤホンを片側だけなくした場合、片側だけを買い直すことはできるのだろうか？アップルサポートに電話して聞いてみたところ、故障の場合は修理で対応できるが、直せる本体がない、つまり紛失してしまった場合は、片側だけを販売する予定はいまのところないという。残念ながら丸ごと買い換えるしかないようだ。

AirPodsは本体が防水・防滴仕様のイヤホンではないので、ハードなスポーツシーンで音楽を聴く用途にもあまり向いていない。ただ半密閉型であるがゆえに、街歩きなどで外の環境音が聞こえる状態で音楽を楽しめるのは、ほかの完全ワイヤレスイヤホンにない魅力であるとも言える。これからiPhoneに最適なワイヤレスイヤホンを探している方には、良い選択肢のひとつになるだろう。