【第181回】高級ヘッドホンで聴く上坂すみれは“ココ”がすごい！注目コラボモデル予約締切直前企画

□コラパケ高級ヘッドホンで聴いてみた！

期待通りにぶっとい！スラップ奏法は録音や再生の具合が悪いと弦がフレットに当たる金属的な高音の方が目立って重心が軽くなりがちだが、これは明らかに低重心！逆に少しベースが強すぎる気もするが、この曲においてはそれが良い、ド迫力のイントロだ。もちろん歌が入ってくればミックスでベースが後ろに下がるので、歌の邪魔になることはない。

そのベースのスラップ。骨格はシンプルだがよく聴いてみるとループするフレーズの一箇所だけ、32分音符ということになるのだろうか、瞬間的に音符を超詰め込んでいる箇所がある。おそらくサムピングダウン＆アップの連続技で通常の倍の音符を詰め込んでいるのではないだろうか。この無理矢理で強引な詰め込み感が、フレーズをさらに躍動させてくれている。

しかし強引にぶち込まれている超細かな音符なので、やわなイヤホンやヘッドホンはこれに追従できずクリアに再現できない。全く聞き取れないわけではないが、インパクトが不十分でもったいない感じになる。さらに言えばこの部分は、生バンドライブでも会場の音響設備の限界で客席では聞き取れない、あるいはライブの音響ではどうせ聞き取れないことを前提にフレーズ自体を安定性重視で簡略化したライブアレンジにしてあるのか、再現されていないと感じる。

つまりこの妙技を満喫するには音源をオーディオ的に良い環境で再生するしかない、そしてこのコラボヘッドホンはそれができるということだ！

▼2nd「げんし、女子は、たいようだった。」（2013年7月10日）

□曲の復習！

「げんしけん二代目」OP曲としての役割もあってか、シングル曲に限らず上坂すみれさんの曲の中でも最もストレートな部類の曲の一つ。加えてイントロからの「オーオーオーオーオー！」「げんしけん！」のように観客側が参加しやすい箇所が多く、ライブでもこれまたストレートに盛り上がる曲だ。

□音楽的なポイントは？

この曲のストレートな勢いは、特別に凝った展開やアレンジ、演奏といった要素をあえて盛り込まないことからも生み出されている。ストレートな曲と演奏でストレートに届けるという、本当にド直球な曲だ。なので音楽的にもオーディオ的にも特筆点はない。

だからといって、どんなヘッドホンで聴いても変わらない、なんてことはない。こういったストレートなアップテンポ曲では、リズムのキレが大切だ。ベースやドラムスがただでかく響かせる迫力盛々なヘッドホンだと、曲の足取りが軽くならないのだ。歌詞も合わせてこの曲は「ヌケ感」のようなものがないと気持ちよくないので、ヘッドホン側でもそこを表現してほしい！

□コラパケ高級ヘッドホンで聴いてみた！

ポータブルなサイズ感で音漏れの少ない密閉型というタイプのヘッドホンは、音も内側に集まった感じになりがちで、抜けや広がりという面は得意とはしない傾向。このヘッドホンも傾向としてはそちら寄りではある。

が、そこを無理に「密閉型だけど抜けと広がり出すぞ！」という狙いにしすぎていないおかげか、密閉型らしい厚みやまとまりを得ている。なので、前述の「ヌケ感」というポイントはハイエンド機としては及第点程度なのだが、ベースの腰を落としたドライブ感やギターの厚みという別の方面でこの曲を生き生きと表現する。

僕の挙げたポイントとは違う方向で良い感じなので若干の敗北感はあるが、今日のところは認めてあげるんだからね！という感じだ。（←