<山本敦のAV進化論 第129回>
オンキヨーGRANBEATの「DSDS」って何? SIMとデータプランを知っておトクなエンタメライフ
「1日・5時間」という高速通信に使える時間制限について、筆者はこれで十分と感じた。実際、自宅やオフィスではスマホをWi-Fiに接続して使うことも多いので、5時間を使い切れない日の方が多くなると思う。なお今回のテストでTIDALやNetflixをまる1日、なるべく高品位なストリーミングに設定して楽しんだあと、GRANBEATの設定からデータ使用量をチェックしてみたところ、使ったデータ容量はほぼ2GB前後だった。
同じ容量を毎日ヘビーに30日間使い切ったとすると、合算すれば60GB近いデータ容量を毎月使うことになる。そうなると大手キャリアが現在用意する大容量データプランよりもランニングコストはぐんと低く抑えられるので、GRANBEATと組み合わせてエンターテインメントコンテンツをヘビーユーザーに楽しむならnuroモバイルの「時間プラン」との組み合わせが断然お得ということになる。
なお、SMSを付けると+150円、音声通話は+700円を毎月のデータ利用料金に加えれば、通話にも使えるSIMカードとして一本化はできる。ただ筆者が利用するワイモバイルが用意する「通話かけ放題」サービスはないので、頻繁に電話もかけるビジネスマンは、GRANBEATのDSDS機能がありがたいものに感じられると思う。
DSDS機能を搭載するGRANBEATは、海外出張の多いビジネスマンにもおすすめできるスマホだ。筆者は春にスペインで開催されたMWCを取材したときにGRANBEATを持参し、現地で購入したプリペイドSIMカードをデータ通信用として活用した。
バルセロナ市内のボーダフォンショップをのぞいたら、4G LTEのデータ通信1GBを1ヶ月間使え、20分の携帯通話が付くSIMカードが10ユーロ(約1,200円)で販売されていたので、値段も手頃だったことからこれを選んだ。ちょうどデータ容量が2倍使えるキャンペーンも実施されていたので、1週間ほどの短い滞在であれば、日本からWi-Fiルーターをレンタルして持ち込むより出費を抑えられる。
購入したSIMのアクティベーションはボーダフォンショップのスタッフが5分ほどで手際よく済ませてくれるので、ユーザーはSIMをスマホに装着してカードに記載された4ケタのPINコードを入力するだけで使いはじめられる。とてもお手軽だ。
海外の特定エリアであればデータ通信を定額使い放題で提供する大手キャリアサービスもあるが、少なくともバルセロナでは現地でSIMを購入して使う方が通信が安定するし、通信費も安く抑えることができそうだ。テザリングも問題なく使うことができたのでパソコンでの仕事もはかどる。Dual SIMの通話側メインのSIMはワイモバイルのままに設定しておけば、日本からかかってくる電話にも対応できる。
もし海外に出かけて現地でSIMカードを購入するのは敷居が高く感じるという方には、フロンティアファクトリーが取り扱うGigSkyのデータ通信用SIMカードもおすすめだ。
GigSkyのスマホアプリを端末にインストールしてGigSkyのアカウントを作成。設定に従ってSIMをアクティベートして、各国で利用できるデータプランの一覧から必要なデータ容量、価格、有効期限を選んでクレジットカードで購入する。現地でSIMを買うよりもやや割高だが、現地のショップで面倒なやり取りを交わす手間が省けるのも心強い。
最後にもう一度、GRANBEATと音楽エンターテインメント的に相性の良いSIMサービスについて触れておこう。本連載の前回レポートで取り上げたLINE MUSICは、LINEモバイルのMVNOサービスが提供する「MUSIC+」をオプションとして契約するとLINE MUSICによる音楽再生がデータ容量無制限で楽しめるようになる。
また、ビッグローブのBIGLOBE SIMが月額480円(税別)からのオプションとして用意する「エンタメフリー・オプション」を活用すれば、音楽配信はGoogle PlayミュージックにApple Music、SpotifyとAWAが、動画系ではAbemaTVとYouTubeがカウントフリーで使い放題になる。
GRANBEATのDSDS機能を上手に活用すれば、毎月のスマホによる通信料金をより低く抑えることも可能になるかもしれない。
(山本 敦)