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<山本敦のAV進化論 第135回>

HTCの新たな“音楽スマホ”、ハイレゾ/NC対応「HTC U11」の再生能力をチェックする

公開日 2017/06/15 10:00 山本 敦
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USonicイヤホンの音質をチェックする

付属のイヤホンによる音質をチェックしてみよう。プレーヤーアプリはリニアPCM最大192kHz/24bitまでのファイル再生に対応するラディウスの「NePLAYER」を使った。

HTC USonicイヤホンのサウンドを聴く

まずはHTC Uソニック・ハイレゾでしっかりと筆者の耳に合わせ込む。スキャニングにかかる時間はわずか2秒ほどで、プロファイルも数秒後に画面に表示される。パーソナルプロファイルの確認画面では、適用前後の効果がグラフで表示されるほか、デモ音源を聴きながら効果のほどが確かめられる。プロファイルは何度も作り直せるし、複数件つくって保存しておくこともできる。

作成されたプロファイルの効果はグラフやデモ音源を試聴しながら確かめられる

USonicイヤホンは音色にむやみな色づけは感じないが、量感のボリュームはやや中低域に寄せている。HTC Uソニック・ハイレゾのプロファイルを何件か作成してみたが、筆者の耳に合わせてカスタマイズされたプロファイルはおおむね同じキャラクターだった。プロファイルのオン・オフを切り替えてみるとノイズキャンセリングの効果とともに音圧がグンと高まる。アウトドアリスニングで聴きやすいバランスを意識し整えているのではないだろうか。

上原ひろみのアルバム『SPARK』から「Wonderland」では、冒頭からパーカッション、ピアノの低音が腹の底にズシンと響いてくる。ピアノのメロディはダイナミックで熱量に富む。ベース、ドラムスが描くボールドなリズムの安定感が特徴的だ。

原田知世の『恋愛小説2〜若葉のころ』から「September」を聴いても、ベースラインの躍動感に引きつけられた。ボーカルはタッチが柔らかく定位も鮮明。爽やかに抜ける余韻が全体に厚みを感じさせない軽やかなグルーブをつくり出している。Uソニックの効果をオフにすると音の線が痩せて物足りなく感じられてしまう。ノイズキャンセリング効果も含めオンにして使うのがオススメだ。

ミロシュの『Latino Gold』から「Un Sueno en la Floresta」では、しっとりとした艶のあるギターの音色が楽しめた。トレモロの音の粒が丸くて柔らかい。ゆったりと響く低音が奥行きと深みのある音場を描き出した。

USonicイヤホンとの組み合わせによるノイズキャンセリングはフィードフォワード方式をベースにしているが、消音効果は十分に高く、効き方も自然だ。HTC Uソニック・ハイレゾの効果は設定メニューからオン・オフが選べるが、オフにするとユーザーにカスタマイズされたプロファイルの効果とノイズキャンセリング機能が同時に外れてしまう。また音楽再生をスタートしないと機能が働かない。

せっかく質の高いノイズキャンセリング機能が搭載されているので、使い方のバリエーションが増えると街歩きや飛行機での旅行など活用できるシーンが広がりそうだ。発売後のアップデート対応などができればぜひ期待したい。

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