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「HEOSテクノロジー」も採用

着実な進化を遂げた中級AVアンプ 、デノン「AVR-X2400H」。弟機「X1400H」との違いを聴き比べ

公開日 2017/07/06 12:13 岩井 喬
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■DACはAKM「AK4458VN」を搭載。ボリュームには専用カスタムチップを新採用

冒頭でも述べたように本機ではDACチップが変更となり、バー・ブラウン製192kHz/24bit対応チップから、AKM製32bit対応チップ「AK4458VN」を新たに採用した。これによりデジタル部の最適化も実施し、ハイレゾ音源やオブジェクトオーディオの再現性、特に低域周波数帯域の特性改善に効果を発揮したという。

DAC段のポストフィルターには内部構成やワイヤリング、シリコンウェファーについても音質に留意した設計を取り入れた高音質オペアンプを用いている。また演算には、オブジェクトサラウンド再生においても十分に対応できる処理能力を持つ32bitクアッドコアDSPを搭載。スピーカー配置としては最大<5.1.2>まで対応する。

AVR-X2400Hの筐体内部

そしてもう一つの大きな変更点が、プリアンプ/ボリューム回路の刷新だ。従来は入力セレクター・ボリュームコントロール・出力セレクターの機能をひとつのチップで補っていたが、本機では各機能に特化したカスタムデバイスを割り当てている。この中のボリュームICはJRC(新日本無線)とデノンが共同開発したカスタムデバイスであり、「AVR-X6300H」(関連ニュース)などの上位機向けに設計されたものとなる。これにより、プリアンプ/ボリューム回路のレイアウトを最適化し、よりシンプルかつストレートな信号経路を実現。各機能においても、個別にデバイスを用意したことで信号処理の精度が向上し、音質改善に対しても高い効果を発揮している。

さらに、すべてのHDMI端子はHDCP2.2に対応。4K/60P/4:4:4/24bit、4K/60P/4:2:0/30bit、4K/60P/4:2:2/36bitといった映像フォーマットを持つ4K Ultra HDのパススルーが可能で、Dolby VisionやHLG(ファームウェアアップデートにて対応予定)にアップスケーリングして出力することができる。また、2つのモニターHDMI出力も備えており、プロジェクターとTVなど、2つの画像投影装置へ同じ映像を同時出力が可能だ。

各端子が整然と並ぶ背面パネル。視認のしやすさと接続のしやすさを両立している

デノンAVアンプならではの、一列に並んだ使い勝手の良いスピーカーターミナルを採用。加えて、AVR-X1400Hに比べコンポーネントビデオ入出力など、アナログ系映像/音声入出力も充実しており、より幅広い機器への対応を持たせた点はミドルクラス機ならではだ。

■HEOSテクノロジーでネットワーク再生機能も強化

HEOSに対応することに合わせ、ネットワークモジュールも刷新。ネットワーク環境及びPC、USBメモリーからの音楽ファイル再生は192kHz/24bit PCM&5.6MHz DSDまで対応。「AWA」「Spotify」などの音楽ストリーミングサービスやネットワーク上のNASやUSBメモリーなどからの音楽再生もシームレスに楽しむことが可能だ(詳細はAVR-X1400Hのレビューで紹介しているので参照してほしい)。

HEOSシリーズのスピーカーやプリアンプ。これらと連動したマルチルーム再生が可能だ

従来からのDLNAベースのネットワーク再生はもちろん対応しており、2.4GHz/5GHzデュアルバンドWi-FiやBluetooth機能、AirPlayやインターネットラジオ「TuneIn」、FM補完放送のワイドFMも楽しめる。

音場補正には「Audyssey MultEQ XT」を取り入れるほか、AVアンプ側では操作できない詳細な項目の設定が可能となる有料アプリ「Audyssey MultEQ Editor App」を使うことで、より好みに応じたチューニングも可能だ。また、リモコンアプリ「Denon 2016 AVR Remote」を引き続き採用するが、ネットワーク再生機能については「HEOS App」に引き継がれている。

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