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再生も音声認識も良好なコスパに優れた1台

“音がいい”スマートスピーカー。Googleアシスタント対応のオンキヨー「G3」を試してみた

公開日 2018/02/21 10:00 土方 久明
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G3は2ウェイ構成で、高域用にソフトドーム型トゥイーターを搭載。低域は従来の同社スピーカーユニットの1.5倍の振幅量を持つというマグネットを採用した新設計のカスタムウーファーを搭載し、それを強固なフレームで固定している。

脚も分厚いラバー製。本体をつついたりしても、柔軟に衝撃を吸収する

アンプ部には、高電流出力を実現しながらも熱効率に優れ、発熱を極限まで抑えたオンキヨー独自のスイッチング式アンプを搭載。またエンクロージャーは木製で、コンピューターのシミュレーションによって共振や定在波を抑えたものを採用している。

多くの同種のスピーカーがプラスチック製のキャビネットを持つ中、G3は重量のある木製キャビネットを採用し、オーディオメーカーが開発した高品質なアンプモジュールを搭載している。その構造だけでもG3の音質的な優位性がうかがい知れるというものだろう。

■レンジの広さと低音の質が一聴して分かる

それでは実際にG3を使ってみよう。まずは初期設定から行う。先述した通り本機はGoogleアシスタントを搭載するので、セッティングの手順は同社の純正スマートスピーカーである「Google Home」とまったく同じだ。

Chromecast対応オーディオとの連携を確かめるため、後述する「CR-N775」と共にセッティングした

iPhoneやAndroid端末に「Google Homeアプリ」をインストールして、そのアプリから設定を進めていく。またストリーミングサービスを使いたい場合は、Google Play MusicまたはSpotifyの契約も行っておく。

設定方法はGoogleアシスタント対応のスマートスピーカー共通の画面で行うことができる

余談だが、2つのサービスを同時に契約している場合は、Google Homeアプリ上からデフォルトのサービスを指定できる。例えばGoogle Play Musicをデフォルトに設定したときは「OK Google、Spotifyでジョン・コルトレーンの「ブルートレイン」をかけて」と言えばSpotifyの音源を聴くことが可能だ。

スマートフォンアプリから初回セッティングを行う

セッティングが終わればいよいよ試聴開始。再生指示は声で行うが、その方法にはいくつか種類がある。オーソドックスなのは、「OK Google」というウェイクワードに続けて、「ジョン・コルトレーンの『ブルートレイン』をかけて」とアルバムや楽曲を具体的に指定する方法。またはウェイクワードの後に「アート・ブレーキーをかけて」とアーティストの名前だけ指定しても、その人気曲が再生される。さらにもっと漠然と「ハードバップジャズをかけて」「夜のジャズをかけて」と指示を出すこともできる。ここは、マイクも含めたAIアシスタントの精度がキモだ。

スピーカースタンドに設置したG3。

今回はGoogle純正の「Google Home」も使用して聴き比べてみた。まずはEDMのジャンルから、デヴィット・ゲッタの「2U feat. ジャスティン・ビーバー」を聴く。一聴して、Google Homeとは別次元の音だ。イントロのジャスティン・ビーバーの声がクリアーで、エレクトリックバスドラムの圧倒的な表現力の高さに感心した。立体的かつ重量感のあるドラムが視聴室内に鳴り響く。G3は解像度と上下の周波数レンジに長け、そして何より低域の表現が力強いのである。

それでは、アコースティックな表現が求められるクラシックやジャズはどう聴こえるだろうか。クラシックから代表的な1枚であるヒラリー・ハーン「バッハ:ヴァイオリン協奏曲集」を聴いた。ソナタと違い複数の楽器が混じり合う協奏曲で、スピーカーの価格を考えると少々厳しいかなと思ったのだが、コントラバスの力感をはじめとして低域が若干強調されるものの、解像度やヴァイオリンの質感表現も総じて頑張っている印象だ。

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