再生も音声認識も良好なコスパに優れた1台
“音がいい”スマートスピーカー。Googleアシスタント対応のオンキヨー「G3」を試してみた
続いてジャズの名盤であるアート・ブレーキー『Moanin'』を聴いた。表題曲の作曲者であり同アルバムでもピアノを担当するボビー・ティモンズのピアノが明瞭だ。続いて聴こえるテナー・サックスとトランペットは色艶の良い質感表現でしっかりと前に飛び出してくる。G3は低域がしっかりと出るので、ベースがしっかりと表現されてジャズらしいグルーブ感を感じることができた。
またGoogle Homeと比べて、3つほどG3の音質的メリットに気がついた。1つめは大音量に強いこと。しっかりと音楽を聴きたいと思ってボリュームをあげてもバランスが崩れにくいのである。2つめは、音の聴こえるエリアが予想以上に広いこと。正面から左右45度くらいはしっかりと聴こえる。
最後は、マイクの性能が高いこと。ここは試聴前に筆者が気になっていた部分だったのだが、「マイク基板を天面ラバー部に直接固定し、他の筐体と接触しないフローティング構造を採用した」というだけあり、純正品にまったく引けを取っていない。むしろGoogle Homeより大きな音量で音楽を再生しつつも、様々な方向からの指示をしっかりと認識してくれるほどで、そのマイクの精度に感心した。
■Chromecast built-in対応の同社製品とも連携可能
オンキヨーは、Googleが手がけるオーディオストリーミング機能「Chromecast built-in」に対応したオーディオ製品を多数ラインナップしているが、G3はこれらのChromecast built-in対応オーディオに対して、Google Play MusicやSpotifyの音声をストリーミングすることも可能だ。
そこでネットワークCDレシーバー「CR-N775」にストリーミングして音声を出してみた。接続もスムーズで、「OK Google」とG3に呼びかけて、選曲した音楽ストリーミングをCR-N775から再生したり、ボリューム調整を行うこともできる。実際に使ってみると想像以上に便利なので、対応製品をお持ちのかたはぜひ試してみてほしい。
G3はさすが大手総合オーディオメーカーの製品と言えるもので、Google純正モデルに少し足りないと感じていた「オーディオ的な再生能力」をしっかり備えている。だから、音楽をより楽しむことができる。また、マイクの認識精度も良好でデザインも洗練されている点なども併せて、コストパフォーマンスが高い印象を受けた。
スマートスピーカーは近い将来、多くの家電や照明、オーディオ機器の操作を担うことになるであろう注目の製品だ。音楽好きの皆さんが導入するなら、このような音の良いモデルを選んではいかがだろうか。
(土方久明)