【特別企画】コンパクトながら音楽性まで表現
約1.6万円の高コスパデジタルアンプ、Soundfort「AS-100+」。売れ筋スピーカー4モデルと組み合わせテスト!
AS-100+は、外見上は独自の要素は少なくシンプルに見える。しかし、本体を手にとると分かるのだが、シャーシには軽量かつ共振の少ない素材が採用されており、筐体に剛性もある。ディスクドライブを持たないDACやアンプなどでも振動が大きく音質を左右するわけで、他の同種の製品と比べて本機のしっかりとした作りは大きなアドバンテージだろう。
続いて内部に目をやると、出力段に使用されているローパスフィルター回路には周波数と温度特性に優れたPPSフィルムコンデンサーを、コイル部にはサガミエレク社製デジタルアンプ専用コイルを採用している。
特にローパスフィルターのコンデンサーは、デジタルアンプの特有の高音のピーキーさを抑えつつ、粒立ちの良さを活かした聴きやすい音を目指すため、多数のコンデンサーの中から試聴を繰り返して選びぬいたのだという。
また、RCA端子から入力された信号は基板パターンをバイパスしてダイレクトに前面ボリューム部近くのプリアンプ部に入力されるなど、信号のダイレクト化を狙っている。
給電はACアダプターだが、スイッチングノイズを遮断する入出力双方向のノイズフィルタと保護回路を搭載しており、アダプター使用の音質的なデメリットが抑えられている。また電源部のコンデンサーを大容量化して、前述したデジタルアンプの弱点である電源の変動に対処している。
このように、AS-100+は前モデルが持つ素性の良い部分を残しながら多くの改良が施されている。果たして実際の音質はどれほどのものなのだろうか?
今回、売れ筋のブックシェルフスピーカー4機種をAS-100+で駆動して、音質・音調、さらに各スピーカーとの相性を確認することにした。
試聴システムの構成を上流から説明すると、トランスポートに「Audirvana Plus 3」をインストールした「MacBook Pro (macOS High Sierra 10.13.1)」を用い、USB-DACにはSoundfort「DS-200」を利用した。
試聴音源については、ポップスからはCDリッピングしたテイラー・スウィフト『レピュテーション』(44.1kHz/16bit WAV)、クラシックからはダニール・トリフォノフ『ショパン: ピアノ協奏曲 第1番 & 第2番』 (96kHz/24bit FLAC)、ジャズからはストリーミングサービスのジョン・コルトレーン『至上の愛』を使用した。
■フロア型を駆動することはできるのか?Monitor Audio「Silver 200」と組み合わせる
と、本題の試聴に入る前に、まずはじめは、あえて価格・サイズともにミスマッチな組み合わせで、駆動力の限界を確かめてみた。高さ90センチ弱の2.5ウェイ・バスレフ型フロアスタンディングスピーカー、Monitor Audio「Silver 200」との思い切った組み合わせだ。