【特別企画】コンパクトながら音楽性まで表現
約1.6万円の高コスパデジタルアンプ、Soundfort「AS-100+」。売れ筋スピーカー4モデルと組み合わせテスト!
■JBL「4312M II BK」との組み合わせ
13センチ径のピュアパルプ・ホワイトコーン・ウーファーと、5センチ径のピュアパルプ・コーン・スコーカー、そして19mm径のテンパード・ピュアチタン・ドームトゥイーターを搭載した、小型3ウェイ・モニタースピーカーが「4312M II BK」だ。
レンジをことさらに広げた音ではなく、音楽をありのまま楽しもうとする楽しい音調。「さすがはJBLのスタジオモニター」といった趣を感じる。AS-100+との相性も良く、テイラー・スウィフトでは、ボーカルの口元は少々大きいものの、コルトレーンは色艶のよいサックスがしっかりと前に出てくるほか、ベースのリズム感の表現も抜群でジャズ再生で欲しいグルーブをしっかりと感じる。
ショパンでは、解像度やステージなどの表現を必要以上に強調するようなものではないが、3ウェイにもかかわらず、高域から低域までの質感が統一され音楽的にまとまりがある。シャープな表現のアンプの個性と、中域が充実したJBLの個性が相乗効果を発揮して、上手に聴かせてくれる印象を持った。
AS-100+は4種類のスピーカーの音質的な長所を引き出せていたことに加え、フロアスタンディングスピーカーに対しても予想以上の駆動力を発揮し、低域が極端に不足するようなことはなかった。絶対的な制動力に物を言わせグイグイと引っ張るタイプではないが、ブックシェルフスピーカーであれば十分な駆動力だ。
また、シャープな中高域とスピード感がある低域がサウンドキャラクターといえる。音楽の作り手が持つ感性を表現できており、“ただパーツを組み合わせただけ”というアンプとは一線を画す特徴だ。
音質面以外でも、価格的に上位グレードとなるDS-200と同様の、アルミ削り出しボタンやアンバー調LEDによる高級感もポイントだ。
以上、AS-100+のコストパフォーマンスは非常に優れていたというのが結論だ。低価格帯のオーディオ製品というと、そもそもの設計や使われているパーツの品質によってどのくらいの音が出るのかと不安を抱く方もいるだろう(筆者もその一人だ)。
しかし、 丹念に設計された回路と高品位パーツが投入された本機の基礎体力は、確かなものであることが実感でき、大いに感心させられた。
(土方 久明)
(特別企画 協力:MJTS株式会社)