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<山本敦のAV進化論 第159回>

開始迫る「新4K8K衛星放送」。初のチューナー内蔵テレビ、東芝「レグザ BM620X」の完成度をチェック

公開日 2018/06/14 08:00 山本 敦
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東芝のレグザシリーズは長らくスポーツ系の映像モードとして「ゴルフモード」を搭載してきたので、特に屋外スポーツの映像処理は、長い経験によって培った匠のノウハウが生きている。おまかせとスポーツのモードを切り替えながら比べてみると、「スポーツ」モードの方が、芝のテクスチャーをより自然に引き立たせる。また起伏にもメリハリがある。なお緑色をはじめ、色の鮮やかさや明暗を強調するような処理は行われていない。レグザが本来得意とする自然な色バランスの忠実な再現性を活かしながら、より快適に視聴できるのが、このスポーツモードの醍醐味。実用性にも富んでいる。

本機に新しく追加された「動き追従ノイズパターン抽出型3次元ノイズリダクション」の効果により、選手のドリブルにクローズアップしながら速い動きを捉えるシーンでも、残像感が少なく輪郭が破綻していない。引きの映像ではボールの移動もしっかりと目で追うことができた。

ガーナの選手のユニフォームは白基調なので、雨の日のナイトゲームということもあってスポットライトの光を受けて煌めくシーンが何度もあった。その際にも明部が白飛びせず、生地の質感や皺が立体感を保ったままに描かれる。まるでピッチに降り立ち、間近で選手たちの姿を見ているように感じられるほど、息を飲むリアリティだった。なめらか表示については、地デジのDR録画コンテンツは、もともとレベルの高いレグザのノイズリダクション処理によって、どんなコンディションでもシャープさと滑らかさのバランスをうまく取りながら再現してくれた。DAZNで配信されているインターネット動画を視聴してみると、「クリアスムーズ」から「オフ」へのギャップがもっと鮮明に感じられた。やはり速い動きを多く伴うスポーツを見る際にはクリアスムーズが効果的だ。

BM620Xシリーズの多彩な機能についても触れておこう。久しぶりに復活した「ダブルウィンドウ」は、2つのコンテンツを大画面にデュアル表示ができる機能だ。リモコン右上の「二画面」ボタンを押すと一発で表示が切り替わる。左右各画面の大きさは3段階で切り替え可能。左右の入れ替えも素速くできる。主画面の音声は常時チェックできるので、例えばドラマを見ながらでも、スポーツ中継で気になる選手が登場するシーンを横目でフォローする時に便利だ。新4K放送と地デジの放送もデュアル表示しながら見られるので、年末以降も色々と使う機会が増えそうだ。

ほかにもGoogleアシスタントを搭載するスマートスピーカーから、音声コマンドでテレビの基本機能が操作できる。テレビとスピーカ−機器を同じ宅内のルーターに接続して、Google Homeアプリからネットワーク連携を設定する。音声で操作できるのはチャンネル変更や音量操作、始めにジャンプの機能など。4K有機ELレグザのX920シリーズはレグザリモコンによるボイス機能を使って、見たい番組やシーンの検索も行える。

スマートスピーカー連携の設定画面

■既存「4K対応テレビ」所有者に向け外付けチューナーも発売予定

最後に4Kチューナー非搭載の「4K対応テレビ」で、新4K放送を手軽に楽しむ方法を紹介しよう。いま新しいテレビに買い換えたり、買い増すのはタイミング的に難しいという方には、今秋に東芝が発売を予定している新4K放送対応の単体チューナー「TT-4K100」がおすすめだ。価格はオープンだが4万円前後で販売される見込みなので、比較的安価な導入が可能だ。

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