自宅試聴室への導入の模様を紹介
MYTEK「Manhattan DAC II」導入レポ<鈴木裕編> 驚くべきMQA再生、高品位なプリ機能
購入した2番目の理由はMQA CDをいい音で聴きたかったから。ユニバーサルからMQA CDのタイトルがまとめてリリースされた。それを、いったんリッピングしてデータとして再生するのではなく、CDプレーヤーでリアルタイムで回転させて、その同軸デジタル出力をMQA対応のDACに入力して聴きたかった。
その2つの欲望とか必要性とかの合わさったところに、Manhattan DAC IIがいた。当初は「Brooklyn DAC+」にしようと思ったが、Manhattan DAC IIの音を思い出すとどうしてもBrooklynに食指が伸びなかった。これはもう性(サガ)のようなものである。念のために補足すれば、Brooklyn DAC+の音は値段を考えれば優秀で、またそのディスプレイの見やすさなど、設計年度の新しさが反映されている。
あともうひとつは、ちょっとしたことかもしれないがBrooklyn DAC+にはアナログのバランス入力端子がなかった。プリアンプとして使うには微妙に端子が足りなかったのだ。このちょっとしたことと音の良さが両者の値段の差、つまり50万円以上の散財を生んだとも言える。いやでもオーディオってそういうものではないだろうか。
以上の2つが購入動機の5割と4割を占めるが、あとの1割は邪心に近いかもしれない。うちのCD/SACDプレーヤーはエソテリック「K-03X」を、バージョンアップして「K-03Xs」相当にしたものだ。これに使われているDACデバイスは旭化成エレクトロニクスのフラッグシップ「AK4497S」。
それに対してManhattan DAC IIでは、ESS Technology社のこちらもフラッグシップの「ES9038PRO」。電流型といわれるDACデバイスの、日本代表とカナダ代表。この両者を使ったDACがうちにあったら楽しかろうというスケベ心。お恥ずかしい。