自宅試聴室への導入の模様を紹介
MYTEK「Manhattan DAC II」導入レポ<鈴木裕編> 驚くべきMQA再生、高品位なプリ機能
■クロック、電源、ボリューム、各所に特徴がある「Manhattan DAC II」
Manhattan DAC IIの概要もごくごく短く紹介しておこう。ES9038PROを生かすため、周辺の設計にも力が入っている。デジタル機器においてクロックは生命線だが、CRYSTEK製低ジッター水晶発振器のFemto Clockを搭載した上で、さらにMYTEK Digital独自のジッター低減回路を組み合わせている。
また、電流型のDACデバイスということで、アナログ段/デジタル段で電源トランスから独立した電源回路を装備。ノイズやクロストークなどを排した電源部を持っている。
もうひとつ特徴的なのは、これはStereo192-DSD DACもBrooklyn DAC+も同じくだが、ボリューム機構をアナログとデジタルのふたつから選べる点だ。メーカーのオフィシャルな発表には書かれていないが、アナログはいわゆるラダー型抵抗を切り換えていく方式だろう。デジタルはDACデバイス内で行う。
アナログ入力と豊富なデジタル入力と、その両方を持つプリアンプとしてはどちらの方式を採用するかは大きな問題だが、両方積んでいるのだから好きなように使えばいい。主観的に書けば「こっちのもん」である。
ちなみにプリ出力の音量調節(デジタル/アナログ)とヘッドフォン出力の音量調節の3つは、すべてフロントパネル右側のボリュームノブで行う。このあたり、プロ用の機器だったら普通のことがホームオーディオでは珍しいかもしれない。
多彩な設定なども含めて全ての操作をフロントパネルの5個のボタンとノブで行う。5個のボタンと言っても、電源スイッチとミュートボタンを含むので、実質的には3つ。ちょっと慣れが必要な部分ではある。