リケーブルも使用した2ペアを紹介
AKG「N5005」の実力を200%引き出す! ハイエンドDAP+アンプとの組み合わせをチェック
ALO Audioの「Continental Dual Mono」を追加して、さらに掘り進めてみよう。PLENUE Sから無色透明に送り出した信号を、真空管アンプ部で「いい感じ」に増幅する狙いでアナログ接続とした。
全体に心地よい明るさと馴染み、強めの質感が生まれる。例えばボーカルの声色は少し明るくなり、手触りや息遣いがより明快に。アコースティックギターやストリングスの音色はしなやかさも印象的だ。ただ個人的には明るさや質感がもう少し落ち着いて欲しいような……。
そこでまず試したのはREFERENCEからBASS BOOSTへのフィルター変更。低音を出すためではなく高音を穏やかにする狙いでBASS BOOSTを使ってみたわけだ。
しかしその結果、今度は音色のブライトさが物足りないことに。そこで「高音をもうちょいブライトに」の狙いで投入したのが「Supernova MKII AKG-MMCX」。普通よりちょっと凹みの深い、N5005のMMCX端子へ正式に対応することを謳っている貴重なサードパーティ製ケーブルでもある。
このケーブル、CN120-3.5と比べて同等以上の解像感等を備えつつ、まさに「もうちょいブライト」な音色なのだ。結果、明快で華やかだが派手すぎないという、狙い通りのところに着地させることができた。
チューニング・フィルター、リケーブル、イヤーピースなどの組み合わせで、幅広くきめ細かなチューニングをユーザー側で行えることもN5005の強み。そこを活かすことでDAPやアンプとのマッチングも比較的容易に調整できる。
頑固でじゃじゃ馬なハイエンドオーディオではなく、柔軟で素直なハイエンドオーディオであること。そこがN5005の現代性であり、ならではの魅力だ。ぜひ様々な組み合わせでそのポテンシャルを引き出してみてほしい。
(高橋 敦)