さらに画質を上げるテクニックも
画質のプロが困った、「調整するところがない!」 有機EL“REGZA” X920の何が凄いか徹底解説
【4】「ライブプロ」モードが凄い!
では、そんな地デジをX920で観るなら何モードが良いのか?従来であれば「標準」モードだった。しかしこのモードは、液晶テレビの進化の過程で培われた画作りだと私は考える。黒浮き、残像といった液晶の弱点を補うため、必要悪とも言える複雑なギミックを経て、バラエティー番組からスポーツ中継に至るまで大きくカバーしているのだ。拙宅の55X910も「標準」モードをベースに調整しているが、先述した長きに渡る試行錯誤とは、言い換えれば有機ELには必要の無いギミックを取り外していく作業だったとも言えるだろう。
そこでX920には新しい画質モードが搭載された。と言っても、名前自体は従来からある「ライブプロ」である。X910では音楽ライブ映像をターゲットにしていたモードだったが、今回は装いも新たにズバリ「放送向け」として生まれ変わった。
ズバリ言い切ってしまったが、一応メーカーの説明としては「ビデオ撮影のコンテンツ全般を20ルックス以下の暗い環境で視聴するためのモード」であり、決して有機EL専用というわけではないようだ。しかしX920の強靭なコントラスト性能を持ってすれば、明るい場所での使用も全く問題ナシ。
しかも「映画プロ」と同様、こちらもほとんど調整要らずだ。唯一変えるとしたら「明るさ」を部屋の照明に合わせて上げ下げするくらいで、「明るさ検出」をオンで使うならそれすら不要。「色温度」のデフォルトは「オート」(8000K相当)だが、これも良い落とし所だと思う。それにしても、パッケージソフトや配信コンテンツだけでなく、放送波まで画質調整不要だなんて!ここまで来るとX910ユーザーとしては、嬉しいというよりも悔しい!
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