[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第217回】行き着いた先の、さらに先へ! 「秋のヘッドフォン祭2018」 超個人的ベスト5
【第3位】“リケーブル”が再び熱い!
Bluetoothリケーブルの話から正反対のところに飛ぶが、ワイヤレスが主流となってくる時代だからこそ、「あえてのワイヤード」にはこれまで以上の趣味性を求めていきたい。そしてワイヤードならではの趣味性といえば“リケーブル”だ。
今回も様々な製品が出展されていたが、あえて一つをピックアップするとすれば「Luminox Audio」を挙げたい。
比較的手頃な価格帯の製品からラインナップしており、太さの割にはケーブルの取り回しやすさも悪くない。また煌びやかなルックスも印象的だ。
そして新モデルの導入に合わせてということか、既存モデルも含めて細かなアップデートも実施してきた。
変更点は以下の2点。
(1)プラグを金属ケースストレート型から「樹脂密閉L型」に変更
(2)イヤーハンガーを成形型から「ワイヤー型」に変更
これらは使い勝手や装着感といったユーザーの好み次第な部分の変更であり、誰にとっても改善となるわけではない。実際筆者もいわゆる「針金ハンガー」が苦手なので、そこは従来型の方が好みだったりする。だがこれらの仕様変更はユーザーからの声を受けて行われたという。「ユーザーの声をしっかり受け止め、メーカーとして素早く対応する姿勢」は評価したいところだ。
そしてこのメーカーのみならず、「ワイヤレス時代のリケーブル」という趣味を支えてくれる、すべてのメーカーへの期待と感謝も表明しておきたい。
【ベストアップデート賞】“地味すぎアップデート”が熱い!NUARL完全ワイヤレス
アップデートと言えば今回の「ベストアップデート賞」はこちら、NUARL「NT01B」だ。
従来モデル「NT01」に「B」が付いただけのこちらのモデル、アップデートポイントは……ケース(だけ)が新しくなりました!
あまりにも地味なアップデートなのだが、しかしこれ、理にかなっているし、歓迎せざるを得ないものだったりする。
というのもこちらの従来型、イヤホン本体に関してはユーザーからも特に大きな不満は何もなかったのではないかと思う。現状の完全ワイヤレスイヤホン分野で「ほとんど不満がない」と言える製品はあまりない。実に優秀なTWS「本体」だったのだ。
一方で、ケースには「開閉ボタンの開閉機構が緩めでカバンの中で勝手に開きがち→開けば当然バッテリーが無駄に消費されたり充電がされなかったりする」という不満点も少なからず持たれていた。完全ワイヤレスイヤホンの使い勝手において、ケース側の完成度も必須。そして、そこだけが欠けていたのだ。
というわけで、その点を早急に改善してきたのが今回のアップデート。開閉ボタン周りにボタンガード的な凹凸を付けることで、弱点をシンプルに潰してきた。また「どうせケースを新しくするなら」ということか、ケース側の背を少し高くしてバッテリーを増量してある。また新型ケースは単品販売もあり!とのこと。既存ユーザーもぜひ導入してほしい。
なおこのNT01Bとほぼ同仕様ながら、音響モジュール「HDSS」を省略することでさらなる低価格を実現した「NT01L」も同時に発表されている。音質は好み次第なので、人によってはこちらの方が「安くて音も好み!」なベストチョイスになるかもしれない。
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