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【特別企画】aptX HD対応のBluetooth機能も内蔵

PCスピーカーを再定義、クリプトン「KS-55」レビュー。9万円台が「むしろ安い」理由とは?

公開日 2018/11/27 06:15 土方久明
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ハイレゾスマホ「GRANBEAT」からKS-55へ、aptX HDコーデックによってハイレゾ相当音質でワイヤレス伝送。そのサウンドも試した                                                                
まずはパソコンと平行に置いていた左右のスピーカーを、ほんの少しだけ内ぶりにすると、さらにピンポイントにボーカルが定位する。これぞステレオ再生の楽しさだが、大型スピーカーを用いた環境ではここまで追い込むのにも一苦労だ。対して、コンパクトなKS-55は、片手で楽々とスピーカーを移動して音像やサウンドステージを手塩にかけることができる。これは楽しい。

試しに別のスマホを利用して、Bluetoothの標準コーデック SBCとaptX HDと聴き比べたのだが、聴感上の情報量が大きく異なり、aptX HDの優位性を強烈に認識した。一度aptX HDによるワイヤレス再生を体験すると、もうSBCには戻れない。


KS-55のマルチメディアスピーカーについての実力・発展性について

KS-55は、TosLink端子による光デジタル入力も備えている。この入力を利用すれば、光デジタル出力を持つCDプレーヤーと直接接続したり、テレビの音声をKS-55から再生したりすることができる。

KS-55は多様な使い方が可能ができることを示す一例として、この光デジタル入力を用いる再生方法も試した。約5,000円で買えるGoogleのキャストデバイス「Chromecast Audio」の光デジタル出力を接続して、話題の再生ソフトウェア Roonの出力先として用いて使ってみたのだ。

Chromecast Audioと組み合わせて、Roonの音源をネットワーク再生してみた

現在、AmazonやGoogleなどが単体のキャストデバイスを発売しているが、そのオーディオ専用デバイスと言える存在がChromecast Audioで、96kHz/24bitまでのWAV/FLACのロスレスワイヤレス伝送に対応する。一方のRoonは、高品位な音楽再生からライブラリ管理までを一手に担えるソフトウェアとしてオーディオファイルの間で今注目を集めている。

このRoonは出力先にClomeCastを指定することができる。Roonとキャストデバイスと高音質アクティブスピーカーの組み合わせ。現代のデジタル再生の最先端といっていいだろう。

Chromecast AudioとKS-55を光デジタルケーブルで結び、Roonの操作アプリでChromecast Audioを出力先に指定。今回はTIDALを利用してビルボードのシングルランキング「ホット100」で現在ランキング1位アーティスト、アリアナ・グランデのアルバム「Sweetener」を聴いた。

Roonの再生画面

このアルバムはMQA音源が用意されている。KS-55はMQAのエンコーダーを持たないものの、1段階目の展開が可能なコアデコード機能を持つRoon経由であれば、96kHz/24bitまでのMQAファイルの再生も可能だ。MQAらしい生々しくレスポンスの良い音色で十分すぎるほど楽しむことができた。多くのソースに対応する豊富な出力端子を持つKS-55を用いれば、このような快適な音楽再生さえ容易に実現可能なのだ。「小さな万能選手」といったところだろう。

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