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再生音源のあるべき音をひたすら超高解像度で描写する

XI AUDIO「SagraDAC」レビュー。テクノロジーとセンスを結集したハイエンドD/Aコンバーター

公開日 2019/02/19 06:00 角田郁雄
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イレブンオーディオのもうひとつの注目機

イレブンオーディオはこのSagraDACと共にもうひとつ、プリアンプの「Formula P1000」も発表している。このプリアンプにも私は好感を抱いた。

プリアンプ「Formula P1000」¥315,000(税抜)

初段と出力段にはディスクリート構成のクラスA増幅モジュールをバランス構成で4式使用。しかも、4連アナログボリュームを採用することに加え、入力セレクターへの伝送経路を嫌い、リアのスイッチで入力切り換えを行っているのである。ちなみに、ゲインもリアのスイッチで切り換える仕組みだ。徹底して高品位を追求したショート増幅回路であり、搭載するアナログ電源もこの回路に対して十分すぎるほどの余裕がある。

Formula P1000のリアパネル。フルバランス構成となる本機の入力はXLR×1のみを2系統搭載。セレクターもリアパネルに装備する

SagraDACと組み合わせて聴いたその音質は、アナログ的な色濃いものだ。中低域の厚みが増し、倍音は直熱三極真空管の銘機300Bを思わせるほど豊潤である。音のレスポンスもめっぽう素早い! この音は、多くのオーディオ愛好家を熱狂させたチェロやクレル、ナグラのプリアンプが持つようなハイエンドの風格を彷彿とさせるところがある。素晴らしい回路と音質で、私自身も感激してしまうほどのベストマッチな組み合わせが体験できた。(角田)

Formula P1000の内部。徹底してショートシグナルパスを追求した回路には、随所にシャオ氏のアイデアが盛り込まれている

(角田郁雄)

Specification
【SagraDAC】●最大入力対応サンプルレート(USB 入力時):PCM 384kHz/24bit、DSD11.2MHz ●ダイナミックレンジ:130.5dB ●全高調波歪率:0.008% ● S/N(0 〜20kHz):127dB ● RCA 出力:1.4Vrms ●バランス出力:4.0Vrms ●入力端子:USB(B タイプ)、I2S(HDMI 端子)、S/PDIF(RCA 同軸、BNC 同軸、光TOS)、AES/EBU ●電源電圧:100VAC 50/60Hz ●外形寸法:240W×85H×260Dmm ●質量:3.5kg ●取り扱い:ENZO j-Fi LLC.、(有)トップウイング
【Formula P1000】●周波数特性:DC-100kHz ●全高調波歪率:0.0005%(A- Wei ght )● S/N:125dB ●ゲイン:14.5dB(ハイ)、4.5dB(ロー)●入力インピーダンス:10k Ω●出力:15Vrms(最大)●入力端子:XLR× 2● 出力端子:XLR × 2 ● 取り扱い:ENZO j-Fi LLC.、(有)トップウイング



※本記事は「季刊・Net Audio vol.33 Spring」所収記事を転載したものです。本誌の詳細および購入はこちらから

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