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【PR】オールジャンルをバランスよく再生

現代シーンに合ったエントリー新名機、ケンブリッジのCDプレーヤー&プリメイン「AXC35/AXA35」レビュー

公開日 2020/01/29 06:30 生形 三郎
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色付けのないナチュラルな音で心地よく楽しめる、入門クラスの名機

はじめに、それぞれ単体の音質からチェックしていこう。CDプレーヤー「AXC35」の出力をアキュフェーズのプリメインアンプ「E-480」に入力し、スピーカーはB&W「802 D3」を接続した。音を出してまず感じるのは、一体感に溢れるサウンドだ。どのようなソースでも、それぞれの楽器が渾然一体となって描かれ、演奏にまとまりがある。

なおかつ、楽器音像の描かれ方や演奏のフレージングは見通しよく、無駄がない。どこかが強調されたり、演奏がもつれたりすることがなく、音色の帯域バランス自体も非常に心地よいバランスに仕上げられている。

見通しが良く、聴き疲れしないナチュラルで心地よいサウンド

よって、聴き疲れすることがなく、なおかつ音楽ソースに込められた本来の意図を変えずに伝えてくれる。大変ウェルバランスなCDプレーヤーだと感じた。音にも機能にも無駄がなく、実に潔いのだ。

ジャズのピアノトリオは、エネルギッシュな疾走感が保たれ、積極的な演奏を楽しく聴かせてくれる。音色も不要な脚色がないが、かといって音楽再生が味気無くなったり、聴き疲れる音質でもない。

また、オーディオ機器と言っても、いたずらに美音にしたりしないところに、このブランドに透徹されている音楽的なセンスを感じさせるのだ。クラシックなどのアコースティックソースでは、さすがに充足したエネルギーや音の厚み、克明なディティール再現などは同社の上位シリーズに譲るものの、とにかく音楽をウェルバランスで聴かせ、ナチュラルで見通しの良い音が心地よいのである。

続いて、プリメインアンプ「AXA35」の音質をチェックする。CDプレーヤーにはアキュフェーズ「DP-750」を使用し、スピーカーは同じくB&W「802 D3」を駆動した。さすがに802 D3を十全に駆動するにはこのアンプの規模では荷が重いものの、決して破綻せず、そして音色の違和感も出さずに、癖のないスッキリとしたサウンドを楽しませてくれた。

先ほどのAXC35と同じく、いたずらに脚色を加えて出音を華美にすること無く、スムースな音色でまとめられているので、心地よく音楽を楽しめる。アキュフェーズ「DP-750」の持っている、分離の良さやSN感に優れた表現を充分に引き出している印象だ。

CDプレーヤー「AXC35」同様に、クリアで色付けのないスムースな音色が特徴

ウィークポイントがなく、トータルバランスとして非常に優れた仕上がりとなっている。802 D3を駆動してこの表現力であれば、本来の使用で想定されるような、より鳴らしやすい構成のスピーカーであれば、充分な駆動を楽しませてくれることは間違いない。

続いて、AXC35とAXA35を組み合わせて試聴してみる。引き続きスピーカーは802 D3だ。両機を組み合わせると、良い意味で音楽に軽快さがあるサウンドが得られた。これまでの落ち着いた表現と比べると、幾分華やかな質感が生み出され、音楽演奏に活気が出ている。

特にヴォーカルや旋律楽器のメロディ部分が、歯切れよく明快に伝わってくる描き出しの軽妙さがあり、下手に音楽が重くならず冗長にならない。音楽が持っている主張やメッセージがシンプルにピックアップされるのである。

ヴォーカルはほどよく膨らみを増し、ボリューム感が増して主役としての存在力が強められ、音楽を機嫌よく楽しませる。ジャズのピアノトリオでも、主役のピアノが程よく肉付きを増し前に出てくる。ドラムスは、スネアドラムやシンバルのヒット感が迫ってくるような迫力を感じられる。

クラシックの場合でも、ティンパニなどの打楽器のヒットが弾みを持ち迫力が豊かだ。それでいて、音価の長い音符による持続音の途中でも、音を伸ばしている際の細かい音の揺れや変化の過程などもしっかり聴こえてくるなど、音楽のリアリティをシンプルに伝えてくれる点が快い。

2台での再生は中低域に厚みが増し、より心地よいサウンドに

全体的に、中域の明瞭さに加えて、中低域に厚みや豊かさを感じさせてくれる。気持ちのよい音の響かせ方を備えているのだ。やはりこの2台セットでの音決めが中心となっているのだろう、両機が組み合わさった際の説得力は力強いものがある。

ヘッドフォン出力にゼンハイザー「HD 660 S」を接続してみると、全体的に先述の音質が継承されたサウンドが得られた。音像や音場の立体的な再生などはさすがに単体のヘッドフォンアンプには及ばないものの、見通しの良い快適な聴き心地が楽しめた。

最後に、ラックスマンのレコードプレーヤー「PD-171A」とナガオカのカートリッジ「MP-500」を使ってMM対応のフォノ入力もテストした。こちらは、あくまで付属程度のクオリティと考えた方が良いだろう。しかしながら、レコード再生の滑らかさの片鱗はしっかりと感じさせてくれた。



「AXC35」および「AXA35」は、生き生きと、そして心地よく音楽を楽しめる、エントリークラスの新たな名機だといえる。この辺りの魅力は、先述したように音楽を愛すと共に自らも積極的に音楽活動を実践できる、そういった社内環境が大きく寄与しているように思える。

総じて両機は、海外ブランドとしては手頃な価格ながら、バランスよくオールジャンルにこなせて、そして聴き疲れのないナチュラルな音質で音楽を楽しみたいユーザーにうってつけだ。とりわけ、シンプルでクールな筐体デザインと共に、ロックやポップスなどを快適快活な音質で楽しみたい方に特におススメしたいシリーズである。

(特別企画 協力:プレシードジャパン株式会社)

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